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今日のきみとぼく
源岬への愛だけで構成されております。
お見舞い
※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。

「・・・若林くん」
もっと早い時間に来るつもりが、遅くなってしまった。静かに眠っている横顔に、こうして寝顔を見るのも久しぶりだと思う。
 ここのところ、苦しい戦いが続いていた。きっと君にも無理させちゃったね。
 戦える場があって嬉しい、力を尽くす、と君は言ってくれたけど、本当ならこれは国内の僕達の戦いで、君の力を借りたのはズルだ。君がケガまで負うことになったのも、僕達の力不足に他ならない。

 でも、君がいてくれて良かった。ずっと後ろに、君がついていくれるだけで、君が守ってくれると思えば、こんなに心強いことはなかった。

「お大事に」
包帯の白さが目に焼き付く。暗くなる前に帰ることにして、枕元に花籠を置く。
「!」
不意に腕を掴まれた。驚いて反応できないでいる間に、抱き込まれてしまう。
「・・・反応が鈍いぞ、お前らしくもない」
「怪我人相手に本気で抵抗すると思う?」
捕まえられながら、奇妙に安心したことは言えない。敏捷に動いた腕は、こちらが反応する前に、僕を捕まえた。ある程度、目が落ち着いてなければ、難しいだろう。
「それは良い事を聞いた」
大きな手が僕の顔に添えられる。何度も何度も唇をなぞる指は、いつも通り優しい。
「どうしたの?」
「来る前に思い出してた通りだと思ってな」
それなら呼んでくれたら良いのに。口にした僕に、若林くんは即座に反論する。
「岬こそ、起こしていけよ」
「だって・・・」
口ごもる僕の頭を撫でて、若林くんは笑う。
「また変な遠慮してたんだろ?岬に会える方が嬉しいに決まってる。それとも、また俺に申し訳ない、とか思ってたのか?」
僕が言い淀んでいたことを、いつもながらあっさり見抜いてくれちゃって・・・相変わらず、敵わない。
「あれは俺がドジ踏んだだけだ。そんなことまでお前に責任取ってもらおうなんて思わない」
若林くんの声を、言葉を聞くだけで、心が落ち着く。こうやって、僕を守ってくれる君に、どれだけ助けられただろう。
「だから、次はお前、のプレーを見せてくれよ。これぞ岬太郎ってやつを」
君は何て大きいんだろう。頭を撫でてくれる手の温もりも、励ましも、僕をいつも勇気づけてくれる。君に負けない人間になりたい、と思う。
「うん、ありがとう。頑張るよ」
少し気持ちが楽になった気がした。感謝の気持ちを込めて、身体に障らないよう、頬にキスをする。そのまま帰るつもりが、ベッドに倒されてしまう。
「ついでに、起こした責任も取ってくれよ」
怪我人はそのまま、本気で抵抗しない僕を抱き込む。・・・まったく、君ときたら。
 つられて笑った僕に、優しいキスが与えられた。

(おわり)

拍手ありがとうございます。
今日は時間がなくて携帯更新だったのですが、やっと直すことができました。ああ、良かった。
今日、人から「舌の根も乾かぬうちに・・・」と言われました。わざとではありますが、
話し言葉ではあまり使わない言葉を聞くと、ちょっと嬉しいものだと思いました。
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック


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