落書きです。  「でも、若林くんったら傷だらけだね」 威容を感じさせる羽織袴なのに、顔の傷が目立つ写真はかえって可愛らしく思えて、岬はニコニコ笑った。 「ああ。毎日ボールを追い掛けてたからな」 五歳の若林がボールを追う様を想像して、岬は顔を綻ばせる。 「男の勲章って言うもんね」 「その割に、岬には傷ってないよな」 若林の記憶に残る額の傷も、今ではほとんど残っていない。それだけに、足の傷は一層目立って痛々しい。 「そうでもないよ」 「いや、傷ひとつないきれいな肌だ」 全身をくまなく知っている。けがれない玉の肌に、触れるだけでも背徳感を覚えた。大事そうに触れられて、岬は困ったようにまた写真に目を向ける。 「この可愛い子が、君みたいになっちやうんだもんな」 「健やかに育ってくれてありがとうってことか?」 抱きしめる腕に、岬は微笑みながら頷いた。
(おわり)
拍手ありがとうございます。 先日「七五三」を書いたら描きたくなってしまいました。 五歳くらいにするつもりが、老けました。ごめんね、若林くん。
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック
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