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今日のきみとぼく
源岬への愛だけで構成されております。
Treat
※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。

「Trick or Treat」の続き?補足?、です。

「ゲンゾウ、それは何だ?」
カラフルな包みを持ち帰ったゲンゾウに、カールが尋ねる。質問ではなく、詰問の口調に閉口しながら、ゲンゾウは振り返った。
「戦利品だ」
「これがか?」
確かに、ハロウィンに紛れて街に降りてこい、とけしかけはしたが、子供の菓子を持ち帰って来るとは思ってもみなかった。呆れたような顔で摘み上げられた袋を、ゲンゾウは奪い返した。
「何だ?どうかしたのか?」
続いてカルツも降りてくる。吸血鬼のカールとゲンゾウとは違い、狼男のカルツだが、この館に住み着いて、もう随分になる。
「ゲンゾウの様子がおかしいんだ」
カールに言われて、カルツはゲンゾウを覗き込んだ。机の上に置かれた包み紙は確かに可愛過ぎる。
「つまり、狩りに行って、反対に惚れて来たんだな」
口元をにやつかせるカルツに、ゲンゾウはいつものように反論するでもなく、黙ってカルツを見返した。
「そんなんじゃないんだ」
きれいな子だった、とは思う。優しい声に誘われた家で、微笑みながら菓子をくれた。まるで誘うような甘い香りに、男の子なのに、牙を立てた。
「心を盗まれたのなら、そいつを奪って来いよ」
カルツの言葉に、ゲンゾウは息を飲む。あんな優しく微笑む人が、すぐ側にいたら。この闇色の館にも陽が射すような気がした。
「…やっぱりやめておくよ」
この闇に閉じ込めるのはもったいない。それでも、しるしはつけたのだから、逃がしてはやらないけれど。

 また、行くのが楽しみだよ。

 楽しそうに微笑むゲンゾウを、カールとカルツは興味津々で眺めた。

(おわり)

拍手ありがとうございます。

新たに、素敵なサイト様とリンクしていただきました。
皆さんすでにおなじみのサイト様で、カップリング傾向は違いますが、色々な岬くんが楽しめます。
ふぁんいんさま
  しゃお様の岬くんSS中心のサイト様。
  色々な人との関係から、優しくて強い岬くん像が浮かび上がってきます。
  曲の歌詞をモチーフにしたSSの企画は原曲を知らなくても楽しめます。


以下、拍手お礼:

なお様、いつもありがとうございます。
ちっちゃい若林くんってきっと可愛かっこいいですよね。
想像していて楽しかったのですが、筆力が及びませんでした・・・。

拍手のみの方もありがとうございます。励みになります。
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック


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