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今日のきみとぼく
源岬への愛だけで構成されております。
文化祭
※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。
移転したばかりなのですが、重いです。更新に1時間かかるなんて・・・。



「石崎一人前ですね(笑)」
「はいはい」
売り子の新田のいやーな笑顔に、慣れっこになったとはいえ、オレは気分も重く鉄板に向かう。隣の浦辺が楽しそうに粉を混ぜているのとは大違いだ。
「こっちも石崎一人前な♪」
井沢の声に、渋々頷く。みんなの希望通りに出店を引いてきたのに、どうして、ここまで虐げられているのか、と思う。
 南葛高校の文化祭は、クラスの活動の他に、クラブでの活動がある。展示と舞台と出店が選べるが、出店に人気が集中する為、くじ引きになることも多い。去年舞台を引いてしまったオレは、肩身が狭かった。
「今年も舞台なら、浦辺とどつき漫才やってもらうぜ」
「そうそう、大阪に修業に行ってもらいますよ、センパイ」
「新田…俺の意志は無視なのか…」
「浦辺先輩、すみませんっ!大阪には石崎センパイ一人でイイッス」
そんなプレッシャーの中で出店を引いたオレは褒められても良いはずだ、と内心思うのだ。

 なのに、現実は石崎焼きというイヤな名前の品物を必死で焼いて売っている。

「絶対甘いもの!売り子は岬くんに井沢くんに新田くん」
大いなる仕切り能力で場を取り纏めたのはゆかりだった。ゆかりが暴走した時に止めてくれるあねごはニコニコ笑って見ている。サッカー部が女生徒をターゲットにするのは順当だろうな。
「まあ…それが妥当だな。売り上げ的に考えて」
滝も納得した以上、他に反論する者はいない。
「じゃあ、甘い物で…何する?」
そこからが問題だった。誰が作っても簡単で、よそとかぶらず…となるとなかなか難しい。
「じゃあ、タコ焼き!」
「そりゃ、お前の食いたいもんだろ!」
滝がツッコミを入れるが、来生は大まじめだ。
「でも、あれならみんな焼けるだろ?」
来生の言葉に皆が黙らずにいられないのには訳があったりする。日本の何処とは言わないが、去年のインターハイでタコ焼き器を持ち込みして、パーティーを持ち掛けた奴がいるからだ。
「おっ、うまいこと丸う焼けるようになったやん!これで俺も安心や」
何が安心なのか分からないが、おかげで、皆タコ焼きが焼ける。
「あの時、岬がソースでサッカーボールとかしてただろ?あれなら売れるんじゃないか」
「来生?!たまには良い事言うじゃん!」
「たまには、は余計だって」
舞台には滝と来生が出れば良かったのに、と思っていると、井沢が発言した。
「あのさ、それなら甘い味にして、チョコトッピングにした方が良いんじゃないか?タコ焼きはチアガール部の恒例だから、うちには勝ち目がないと思う」
「さすがは井沢先輩、モテる男は違いますね!」
新田の声が飛ぶ中、相変わらず冷静な判断を見せる井沢に、皆が拍手をした。どうやら、まとまりそうだ、と安心したところで、岬が顔を上げた。書記をしていた岬は、ノートに描いたイラストを見せる。
「サッカーボールって分かりにくいから、こんなのはどう?」
岬のイラストは、簡単な顔で、髪だけが塗られている。
「あっ、それ良いな」
確かに、目と口と眉毛だけの絵は簡単そうだ。誰にでも出来るのは大事なことだと岬が力説する中、新田が突然立ち上がった。
「これ、石崎センパイに似てませんか?」

 それで、今に至る。石崎焼き、はゆかりの命名だが、それをオレが焼いているのはさすがにインパクトが強いらしく、岬の描いたチョコ絵と見比べてクスクス笑われている。
「やっぱり、豆腐を入れたのが良かったんだよな!」
粉には豆腐を混ぜてある。女子に売るには、の岬のアイデアに、浦辺はノリノリで豆腐を持って来た。
「お前は良いよな、幸せそうで」
ため息が、出た。

(おわり)

南葛高校の文化祭を書くのは実は3度目です。くじ引き云々はお遊び設定です。
石崎くんって愛されているな、と書いていて思いました。
石崎焼きは豆腐を若干混ぜたホットケーキミックスにクリームを入れている感じで考えました。
いや、岬くんが売っていたら、何でも買っちゃいますけど。
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック


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