※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。 せっかく若林くんが来てくれたのだから、と普段行かないエッフェル塔に行ってみた。シャンゼリゼのカフェにも行ってみたかったし、利用させてもらう、と言うと、若林くんは 「じゃあ、よきにはからえ」 と笑った。 「君いくつだよ」 「お前より若いよ」 お決まりになった会話の中、僕はさっき若林くんが見せた表情をようやく忘れることができた。
さっき若林くんは一瞬怖い顔をした。整っているだけではなく、何ともいえない品のある若林くんは、ほんの少し眉間を寄せるだけで、迫力が出る。サッカーをしている時なんか余計で、男の僕から見ても、すごくかっこいい。見つめていたのが、そういうビデオじゃなきゃ本当に良かったんだけど。
フランス語しかない、と言ったのが悪かったのかな?と言っても、僕は実際には見たことがない。僕のうちにはビデオもないもの。若林くんの役に立つなら、良かったくらい。若林くんはいつも、僕にお土産をくれるけど、僕には無理そうだ。それでも、シャンゼリゼで何か良い物を見つけたら、買おうと思っていた。
「高いなあ・・・」 「うん・・・。僕も上ったのは初めて」 エッフェル塔に上がった。万国博覧会で鉄のお化け扱いされたのが嘘のように、観光客も多い。 「土産屋も見て行こうぜ」 手を掴まれて、かっと血がのぼった。これだけ人も多いから、手を繋いだ方が良いのは分かっている。それなのに、何だか恥ずかしい。
「これ、良かったら・・・」 帰り着いた家で、僕が差し出した紙袋に、若林くんが不思議そうな顔をする。 「絵葉書、買ったから」 若林くんの隙を見て、買った。今日の空みたいに晴れた写真が気に入ったから。一緒にシャンゼリゼを歩いて、一緒にカフェに行って、一緒にエッフェル塔に上って…手を繋いだ思い出に貰ってほしかった。 「・・・俺、貰ってばっかりだな」 「君だって、いつもお土産をくれるじゃないか。それに、もう一つはあれ、だし」 口ごもった僕に、若林くんは静かな眼差しを返してきた。 「せっかくもらったけど、俺は見れそうにない」
(つづく)
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拍手ありがとうございます。 先日、アクセス解析を見ていたら「松山 岬」で検索して来て下さった方がおられました。 ・・・拍子抜けですみません。
from past log<2009.10.23>
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック
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