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今日のきみとぼく
源岬への愛だけで構成されております。
頼まれ物(2)
※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。
本当に色々すみません。

「源さん、今度の休みはどうするんだ?」
カルツが尋いてくるのも不思議はない。珍しい連休に、旅行を企てる強者さえいる。
「いや、別に」
口ではそう言ったものの、プランは立てていた。何度か行って道も覚えたフランスの家を訪ねるつもりだった。
「そのやらしい顔で大体分かったぜ」
俺の数倍はいやらしい笑みを浮かべるカルツも、この上機嫌を妨げることはできない。いきなりフランスに行ったら、岬はどんなに驚くだろう。感動して抱きついてくれたらどうしよう。
「そんなに喜んでくれるなんて来た甲斐があったぜ」
なんて言いながら、岬を抱き返して・・・。
「おい、源さん、フランスに行くんなら、エロいビデオを買って来てくれよ」
人の幸せな物思いをぶち壊した揚げ句、下世話なことを言う友人の勢いに負け、俺はしぶしぶ承知した。

 岬のアパルトマンは、小さいが趣のある建物だ。
 何度か来た事はあるので、道は分かっていた。迷った時の為にと岬の電話番号を控えておいたが、その必要もなかったようだ。見覚えのある建物の、見覚えのあるドアをノックすると、顔を出したのは、当の岬だった。
「若林くんっ!?」
いかにも驚いた声を上げて、岬は俺を招き入れた。
「分かりやすい所で助かったぜ」
笑いかけた俺に、岬は困ったように苦笑いをした。その笑いは本当に自然で、俺はその顔を見られただけでも、来て良かったと思った。

「連絡くれれば良かったのに」
そう言いながら、岬は部屋に案内してくれた。狭いがこざっぱりとした部屋はいかにも岬らしいと、来る度に思う。
「来るなって言われたら困るからな」
「まさか」
出されたコーヒーを飲みながら、自分の部屋でくつろぐ岬を眺めた。岬は小さい布張りのソファーに座り、クリーム色のマグカップを手にしている。
「せっかくの休暇だから、お前に会いたかったんだよ」
そう話すと、岬は目を数度瞬かせた。
「・・・冗談はもう良いよ」
もちろん冗談などではない。そうでなければ、この俺がわざわざ国境を越えてまで来るもんか。そう言いかけたが、この前遊びに来た時にそんなことばかり言い続けて、岬に怒られたことを思い出した。照れたような口振りの岬は本当に可愛いのだから、仕方がない。
「もしかして、忙しかったのか?」
一旦距離を置くことにして、尋ねた。その作戦は効を奏したらしく、岬はニッコリと微笑んだ。
「ううん。今日は父さんもいないし、用事もないんだよ。若林くんってすごいタイミングで来るなあ、と思って」
「それなら良かった」
ほっとした俺は、岬の出してくれたクッキーにようやく手を伸ばした。

「じゃあ、どこか行きたい所ってある?」
別に何処に行かなくても岬さえ側にいてくれれば…と言いかけて、思い出してしまった。悪友の言葉。
「岬、その・・・そういうビデオを土産に頼まれたんだが・・・」

 好きな相手に、下ネタを振った俺は相当マヌケな顔をしていたに違いない。岬は一瞬あっけにとられた様子だったが、理由を聞いて大笑いした。
「若林くんがそんなこと頼まれるなんて、想像もしなかった」
その笑顔に悪意はなく、かえって恥ずかしくなった。カルツに頼まれたのだという言い方が言い訳くさくならなかったか心配な位に。
「じゃあ、僕が友達に貰ったので良ければ」
「み、岬もそういうのを見るのか!?」
掴みかからんばかりの俺の勢いを、岬は笑顔ですりぬける。
「友達が帰国するのに持って行けないからってくれたんだよ」
投げ渡されたラベルはまさにそういう物で、岬が持っていたと思うと、興奮が高まりそうだった。
「フランス語だけど、良いの?」
フランス語で、となると、やっぱりジュテームとか言うんだろうか?そう考えた瞬間、ドキッとした。岬もそんな風に甘い声を漏らすんだろうか。それ自体吐息でできたようなフランス語で。

 聞きたい。

 岬の優しい声が官能に呑まれるのを聞きたいと思った。このきれいな顔が甘く変貌するのを見たいと思った。
 岬を好きになってから、そういうことを考えなかった訳ではない。むしろ、常に考えていた。だが、会う時には考えないようにはしていたのだ。だが、こんな刺激を受けた後では、考えないようにするのは無理だった。
 だが、必死で耐えた。こんな経緯で告白してしまうなんて、絶対に嫌だった。岬の家で、二人っきりで、という状況は捨て難かったが、どうしても、嫌だった。
「岬、お前の声が聞きたい」
言いたかった。蕩けるようなフランス語で、岬がうっとりとした声を出す。その想像だけで、ドキドキする。
「どうしたの?若林くん」
「いや・・・何でもない」
カルツになんか渡すもんか。せっかく岬に貰ったのだから。家に持って帰ろうと思って、ふと気付く。
「岬はこれ、見たのか?」
「ううん。僕はちょっと・・・」
困ったようにうっすらと頬を染める岬に、それだけで良くない気を起こしそうだった。せめて、このビデオのことは忘れてから告白を・・・。そう思って心に蓋をした。

(つづく)

(3)へ

拍手ありがとうございます。引き続き顰蹙です・・・。
でも、まだ続けるのでした。

人形劇の三/銃/士が面白くなってきました。
アニメも再放送してほしいところですが・・・。

拍手お礼:
アズマ様、お祝いメッセージありがとうございます。
アレルギーは無事治まりましたが、刺身は初めてだったのでショックです・・・。
『頼まれ物』の感想ありがとうございます。ニヤニヤ嬉しいんですけど♪
こちらこそ、後でニヤニヤしにお邪魔いたします。

さくら様、素敵なプレゼントをありがとうございました。
いつも目の保養にさせて頂いている手ブロ絵を飾れるのが嬉しくて、
かなり大きいです。でも後悔はしていません。
ド下手→下手進化ですけれど、お褒め頂いて感激です。後はそちらで。

拍手のみの方もありがとうございます。励みになります。

from past log<2009.7.22>
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック


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