※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。 僕が、若林くんの卵を産む?
若林くんの言葉は意味不明だった。固まってしまった僕に、若林くんはにこにこ笑いながら、僕のお腹や背中を優しく撫でる。 「な、何を言って・・・」 人間は卵を産まない。ましてや、僕は男だ。子供だって産むことは出来ない。そんなことは自明の理だ。それなのに、若林くんは今にも産まれるかのようないたわりの手つきで、僕の腰を撫でる。 「一晩愛し合ったんだから、当然だろ?岬に似た子が生まれると良いな」 いかにも当然のように話す若林くんは本当に幸せそうで、そうだったらどんなに良いか、と僕は想像した。二人をつなぐ絆を僕が生み出せて、ずっと一緒にいられるのなら、どんなに素敵だろう。でも、そうじゃないことを僕はよく知っている。 「どうしたんだ、岬?」 困った顔で見上げた僕に、若林くんは頭を撫でてくれた。大きな掌の温かい感触に、心細さはすぐに解けた。 「僕は卵は産めないよ」 小さな声で呟いた僕に、若林くんは優しく囁く。 「まだ、足りないか?」 不意に与えられた口付けに、驚いた。何回も何回も唇を合わせてから、若林くんの腕は離された。 「ほら、大丈夫だろ?」 若林くんが触れた僕のお腹は確かに膨れていて、僕はどうしていいのか分からなくなった。
それから、若林くんが触れる度に、僕のお腹は膨らんだ。キスに呼応するように、お腹が動く。 「絶対、大事にするから。岬もこの子も」 若林くんが言ってくれる度に嬉しくて、またお腹が疼く。そんな言葉で気持ちが動いてしまう位、僕は君が好きなのだと、改めて自覚してしまう。 「ありがとう」 たくましい胸に抱かれ、鍛えられた腕に包まれて、僕は目を閉じた。
目が覚めると、若林くんが僕を見つめていた。優しい眼差しに幸せを感じた僕は、ついお腹に手をやった。 「あれ、卵は?」 「卵?」 「そう、君と僕の・・・」 不思議そうに見る若林くんの表情で、僕は異変に気付いた。卵?あれ?僕、何を口走った? 「岬?」 僕を見下ろす若林くんは少し目が疲れている様子で、あまり眠っていないように見えた。 「あ、ごめん、寝ぼけちゃって・・・若林くん?」 真剣な表情で抱き締めてくる若林くんに、戸惑う。体勢を変えようとして、自分の身体がひどく痛むことに気付いた。 「あ、痛むか?・・・ごめん、岬、俺・・・」 そうだ、僕は昨日、君に抱かれた。指の跡が残る程、強く抱き締められて、苦しくて仕方なかったのに、想いが止められないと言われる度に、その痛みすら和らぐようだった。 「辛くないか?」 気遣って覗き込んできた若林くんの顔を見返した。
痛くない訳がなかった。君の腕には僕が立てた爪の跡がついている。手加減できないと嘆く君が強くするから、涙が止まらなかった。
でも、それすら許してしまえる位、僕は君のことが好きだ。
夢の中では、それこそ卵を産もうと思う程。
「大丈夫だよ。・・・君に愛してもらったんだから」 笑いかけた時、胸の中で卵が疼いた気がした。
(おわり)
拍手ありがとうございます。 これはYさまのリクエスト・・・のはずだったのですが、 すみません、全然別物ですー!! こんな筈ではなかったのですが、最近読んだ『観/用/少/女』に引きずられて こんなモノに…。
以下拍手お礼: Yさま、お祝いコメントありがとうございます。 あらぬ方向に進んで、本当に申し訳ないです。 八つ橋はつい食べ過ぎるほど、おいしいと地元びいきの私は思いますが、 辛味もちもおいしそうですね。
M☆さま、お祝いコメントありがとうございます。 パソコンの調子が悪いのは辛いですよね。 携帯で見て下さる方も多いので、画像も携帯で見られるように心がけていますが、 見られないようでしたら、おっしゃってください。できるだけ対応させていただきます。
拍手のみの方もありがとうございます。励みになります。
from past log<2009.10.18>
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック
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