※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。 あまりぐっすり眠ったせいか、まだ暗い内に目が覚めた。ここはどこだったけ…と身を起こしかけて、けだるさと身体の痛みで、昨夜のことを思い出した。 「僕も君のこと好きだけど・・・」 もう何ヶ月も繰り返されてきたやりとりだった。拒みながらも、抱き締められるとその腕の熱さや優しさに酔いそうになってしまう。僕だって、君の事は好きなんだ。だけど。それ以上のことは怖い。 「もう、限界なんだ。どうしてもお前に触れたい」 耳元に囁かれる愛に、胸が締め付けられそうになる。いつか、忘れられてもいい。いつか、君が離れていくとしても、僕は君のことを好きでいられる。臆病で、自分の気持ちもうまく表現できない僕だけれど、確かに君を好きなんだ。 「岬・・・」 黙って、頬に触れた僕に、若林くんが驚いたように視線を向ける。 「良いのか?」 「・・・聞かないで」 きっと僕の顔は必要以上に赤くなっていただろう。もぎとられるのを待つ果実のように。若林くんはそのまま僕をさらった。 「じゃあ、聞かないぞ。やめてって言われても聞かない」
決意はしたものの、震えは止まらなかった。緊張と興奮で動けない僕を、若林くんは壊れ物のように丁重に扱ってくれた。指先まで彼のものになっていくことに、戸惑いながらも心は満たされていた。
隣を見ると、僕を抱いたまま眠る若林くんの顔はとても穏やかで、優しい。意志の強そうな眉に、少し厚めの唇。男らしく整った顔に、広い胸板。意識すれば、昨日の出来事がまた蘇るようで、僕はまた赤くなった。落ち着かない、じっとしていられないのに、心地よくて、僕は飽きずに眺める。 「ん、岬、起きたのか?」 若林くんはいつも目覚めが良い。すぐに回路がつながるんだ、と自分で言っていた通りに、すぐに相好を崩すと僕の髪を撫でた。 「おはよう、岬」 「おはよう、若林くん」 嬉しそうな若林くんは、普段彼を知る人にはとても見せられないような表情なのに、僕はかえってドキドキした。こんなに幸せそうな顔をしてくれるなんて、嬉しくなってしまう。 「夢じゃなくて良かった」 若林くんはそう言って、いくつもいくつもキスを落とした。夢、なんかの訳がない。僕はすごく決意して勇気を出したんだ。その分、今は本当に幸せで・・・。そう言いかけた僕は次の瞬間、自分の耳を疑った。 「嬉しいぜ。岬が俺の卵を産んでくれるなんて」 ええっ?
(つづく)
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拍手ありがとうございます。 実は今日誕生日だったので(GC月間まっ最中なんです) 色々とございまして。
Yさま、とりあえず、こっちから始めましたよ!
from past log<2009.10.16>
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック
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