※二次創作です。色々と不備な点や同人的表現を含みます。苦手な方はご注意下さい。
昨日の続きです。 だが、それもすぐに吹き飛んだ。気付くと女の子は近くまで寄って来ていた。何やら瞳をいっそう輝かせて。 「君・・・もしかして、修哲の若林くん?」 いつもキャーキャー言ってくる子達とは明らかに違う口調は穏やかで知性を感じさせた。 「ああ、そうだ」 さりげなさを装って答えると、女の子は目をきらきらさせている。 「全国大会で優勝したんだよね。決勝戦テレビで見たんだ」 嬉しそうに言われて、こっちも嬉しくなった。 「そうか」 「全試合完全無失点なんてすごいね」 今まで人に誉められると「当たり前だ」と答えてきた俺だったが、こいつに誉められると、何だか照れくさくなった。お世辞や媚びという感じはまったくない。 「なあ、お前名前は」 井沢達が見たら、さっきの俺以上に驚いているに違いない。他人に関心を抱き、名前を聞くなんて、初めてだ。 「ああ、あいさつもまだでゴメンね。僕は岬太郎。よろしく」 ニコッという笑みと共に告げられた名前は俺を混乱に陥れるには十分だった。 太郎?男?なにィっ!?この華奢で細い手が男?さらさらの髪が風になびいている。俺は改めて見直した。この容姿で太郎はないだろう。まさか、間違われやすいことを予測して名付けたのか? 俺は動揺を隠しつつ頷いた。 「岬、だな」 「うん、よろしくね。若林くん」 俺をまっすぐ見上げて微笑む岬。男でも女でも関係ない。そう思うような笑顔だった。そんなこと関係なしで、好きになってしまうような。周囲の音が聞こえなくなった。その代わりに、自分の鼓動がうるさい。それこそ相手にきこえるんじゃないかと思うくらい。 「ああ、よろしく」 平然を装って、俺は応えた。
(つづく)
更新が遅くなりました。出先から更新できなかったもので。 次からはこのペースで行こうかと思います。
いつも変な文を送りつけている星夢様の素敵サイト「クレスリウム王国」様で、 このたび変な連載を無謀にも二作同時に始めてしまいました。 どっちも完結していませんが、一つは書き過ぎてしまう傾向、一つはなかなか書けません。 ですので、苦情はくれぐれもこちらまで。どんな苦情が来ても負けません。 だって自分が一番分かっていますもん。
from past log<2008.10.19>
スポンサーサイト
テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック
|