※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。
本日も xxx-titlesさまよりお題をお借りしています。 お題一覧はこちら
オリンピック代表合宿の話です。 久しぶりに会ったというのに、岬は何だかそわそわしている。 「・・・だって、あんまり長く抜けてたらおかしいよ」 合宿所から抜け出して来たのが気になるらしい。逆に言うと、俺が合流するまでは、外へ遊びに行くことなどなかった、という岬の言葉の正しさが分かる。 「そんなに長くいてくれるのか?」 少し本音交じりにからかったら、岬はたちまち赤くなった。その白い頬に赤みが差すと、岬の綺麗な顔がやたらと可愛く見えて、抱き締めたくなって仕方がない。 「もう冗談はやめてよ」 「本気だったら良いんだな」 指先が触れたら、掌で、掌で触れたら、身体ごと、触れたくなってしまう。言葉とは裏腹に、抱き締めても岬は抗わなかった。細い身体が俺の腕の中に収まって、帰って来たのだと改めて実感した。 「会いたかったぜ」 「僕も」 いつもより少し早い返事に、岬の愛情を感じた。いわば都落ちなだけに、そっと添わされた手の温もりが染みる。 「君の顔を見て安心した。来てくれてありがとう」 人前では、岬はそう言って歓迎してくれた。随分持ち上げてくれたものだと思うが、まんざら嘘でもない、とチームの雰囲気から感じ取った。その言葉を選んだ岬の苦渋を思う。この細い双肩にどれだけのものを背負ってきたのか、と切なくなる。 「あっ、駄目だってば・・・」 もっと、触れたい。岬の羽織っていたジャケットを脱がせようとすると、岬はわずかに身じろぎした。 「明日は朝から練習なんだよ」 朝から練習、に何だか嫌な予感がした。少しだけ朝の弱い岬は、昔から夕練の方が好きだった。そして、朝練が好きな奴といえば、あいつしかいない。 「松山との約束なんかさぼっちまえ」 「時差とかあるから、いろんな時間に対応できるようにしたいんだよ」 約束自体は正解だったらしい。正論の返事には反論しにくく、接触は断念することにした。せっかくだからせめて、と脱がした肩にキスを落とそうとして、つい背中に目がいった。雪のような肌に、赤い引っかき傷が目立つ。 「これは?」 指でたどられて、岬はくすぐったそうに身をよじった。 「やっ、それ、松山に背中洗ってもらってたら、引っ掛けられちゃって」 ま~つ~や~ま~!
言葉も出なかった。 「若林、くん?」 急に黙り込んだ俺に、岬が不思議そうに俺を見上げた。大きな瞳に、少し心配そうな色が揺れる。こんなに岬に愛されているのは俺だけだと分かっていても、まだ不安は治まらない。 「俺のいない間に、岬と一緒に風呂に入りやがって、岬の背中を洗いやがって、傷までつけやがって!」 岬は反応に困ってしまったのか、ベッドに押し付けてもおとなしくしている。 「消毒だ!」 「若林くん、ちょっと、目が笑ってない・・・」 背中の傷を舌でなぞった。岬がくすぐったいのに耐えて、少し身体を震わせる。甘い、匂いを、味を、感じる。 「くすぐったいったら」 舌先だけでは足りない。消毒は口付けに、愛撫に姿を変えていく。 「他の奴が触ったところ、全部消毒だから、な」 我ながら嫉妬深いと思う。でも、一緒にいられる時間は短すぎて、そうでない時は遠く離れてしまう。せめて、一緒にいる時は、髪一本までも俺のものにしてしまいたい。
結果的に、岬は朝練を休んだ。
(おわり)
拍手ありがとうございます。 冗談で「嫉妬魔神」とか言っていたのですが、つい書いてしまいました。 岬くんが初めてじゃなかったら、若林くんは嫉妬しちゃうだろうって話だったのですが、 松山くんはあのメンバーの中でおそらく一番古い知り合いじゃないかと。 「初めての男」・・・うわー、松山くんの身が案じられます。
以下、拍手お礼: アズマさま、雑談で名前を出してしまってすみません。 私もあの絵はおにゃのこみたいで可愛いvだったので、ちょっとびびりました。 文化祭の話もすごく可愛くてドキドキしました。 あんなに萌えるイラストやお話が書けたら、とこちらこそ思っていますよ?!! ヒゲヒゲコールは嬉しかったですv
ユリコさま、お久しぶりです! その節はご心配をおかけしましたが、おかげさまで元気にしております。 地雷申請ありがとうございます。 ネタに不自由している私に、何かネタを恵んで下さると嬉しいです♪ 連絡お待ちしておりますねv
さくらさま、いつもありがとうございます。 そして、生還おめでとうございます!(いや、まだなのかしら?) お疲れのところをお気遣い頂き、すみません。 全部終わるまでは気が抜けないとは思いますが、 お体にはお気をつけて、頑張って下さいませ。
拍手のみの方もありがとうございます。励みになります。
from past log<2009.10.6>
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック
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