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今日のきみとぼく
源岬への愛だけで構成されております。
お土産(2)
※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。

随分間が空いてしまいました。
(1)はこちら



 ・・・あの時から、もやもやした気持ちが治まらない。

 自分の言うことも耳に入れずに、振り切ってしまった若島津。シュートを簡単にキャッチされたことよりも、一顧だにせずに遠ざかる背中は見慣れたそれとは思えなかった。

 以来、心にぽっかりと穴が開いてしまったようだ。

 突っ張って見せてはいるが、元来、人といることが好きな日向の気持ちを慮り、タケシや反町、それに岬が何くれと気は遣ってくれるものの、何かが違う気がして、どうしようもなかった。かといって、案じてくれる相手にそういう弱みを見せるのも気が引けて、誰にも言うことはできなかった。

 それに比べると、若林は他のチームメイト達と比べて、距離があり、また今回の配慮からすると、十分信頼するに足るように思えたのである。

「なあ・・・ちょっと、相談に乗ってくれねえか」

 日向の言葉に、若林は深く頷いた。修行の旅から合宿所に戻って来た岬から、同じく修行に出ていた日向の様子がおかしいと既に聞かされていた。近付いてくる女性に心を動かしたりしない日向に友達が出来るなど、よほど人恋しいに違いない、と。そして、日向の様子を見、話を聞く内に、抱いていた予感は確信に変わった。
「日向、お前、恋愛経験はあるのか?」
突然言われた日向は大きく首を振る。明けても暮れてもサッカーサッカーの日向の生活に、恋愛など入る余地はなかった。幸せにしたいという家族はいても、相手はいなかったのだ。
「・・・そうだろうな」
一人で納得する若林に反論しようとした日向は、だがその言葉を呑み込んだ。
 合宿所に戻って来た日、日向や岬を歓迎する夕食会が開かれた。一際鮮やかに、スピードを増した岬の修行とは一体どんなものか、話を聞こうと日向が思っている内に、岬は一足早く食堂を出た。その後を追うように出て行ったのは若林だった。二人とも人一倍存在感があるくせに、こういう会ではそう目立つ方ではない。むしろ、嫌っているかのように思えた。若島津のいない分、わいわい騒ぐ気分にはなれない。日向は自分も部屋に戻ろうとして、廊下に出た。そして、その廊下に月影が落とした二人の影を見た。窓辺に立ち、月を見ながら並ぶ影は、壁にまで伸びていることに気付く様子もなく、二人の影は今にもくっつきそうに見えた。

 見るつもりはなかった。だが。見てしまった。

「元気そうで安心した」
「君こそ」
静かに綴られる言葉は優しくて、お互いに抱く感情を示すようだった。まさか、と思う間もなく、若林の腕は岬を抱き締めて、離そうとはしない。
「駄目だよ・・・誰か来たら・・」
「お前は俺のものだって言う手間が省けるだけだ」
抗う岬の声も、誘う若林の声も、日向が今まで聞いたものとは違い、別人のように甘いと思った。
「じゃあ、部屋に来てくれるか?約束したら離してやるぜ」
「・・・分かったよ」
去って行く二人に見つからないように食堂に戻った時も、しばらく動悸が収まらなかった。

 若林に恋愛経験、と言われたらその時のことを思い出さずにはいられなかった。若林も岬も、日向の知っているのとは違う人間のようで、自分も同じように感情を動かされてしまうのかと思い、日向は底知れぬ恐怖を感じた。
「・・お前は、若島津に惚れていたんだろ」
若林に突きつけられた言葉にも、日向はただ驚くしかなかった。

(つづく)

拍手ありがとうございます。
月下のラブシーン、好き過ぎます。何回書いたか分かりません。
逆にワールドユース編はほとんど書いたことがありません。
理由はいうまでもないですね。
原作の流れを説明しておくと、岬くんは修行の旅(笑)、日向くんは沖縄ごもり帰りです。
その間にチームは予選出場、若林くんがチーム合流、です。

from past log<2009.9.16>
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック


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