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今日のきみとぼく
源岬への愛だけで構成されております。
『懺悔』
1周年?♪
もう、浮かれてしまっています。
またもや、お祝いを頂いてしまいました。
今度はクレスリウム王国の銀月星夢さまより。
ring.jpg

『懺悔』

「岬に受け取ってほしい物がある。」
正座しかねないような神妙な顔で、若林くんは僕を見る。
「…何を?」
「受け取ってくれるか?」
若林くんは頑に答えない。
…・何だろう?
何度目かになるハンブルクへの逢瀬。
前回、若林くんの家に来た時に、僕達は他の誰にも言えない秘密を作ってしまった。
それは、若林くんに求められるままに、肌を合わせてしまった事。
僕にとっての初恋で、もちろんこんな事は未経験で、でも僕はずっと若林くんが
好きだったから、何をされても後悔はないんだけど。
翌朝目覚めた時から、若林くんはいつも通り優しくて、でもその瞳には少しだけ
苦渋を滲ませる。
気付かない振りをしていたけど、僕は人の感情を読み間違えたりなんかしない。
若林くんは後悔してる。あの夜を。
「何かは教えてくれないの?」
「言ったら、岬が受け取らないかもしれないから。」
若林くんは僕を見つめる。
暗い影はそのまま。
それは、慰謝料とか、手切れ金とか、口留め料とか?
「…いくら?」
「いや、それは」
さりげなくカマをかけると、若林くんは驚いた顔をして、視線を泳がせる。
君は嘘がつけない。
「ううん、やっぱり言わなくていいよ。」
僕は微笑んで遮った。
「…5万。」
スルリと、本当に具体的な金額が僕の耳に忍び込んできた。
息が出来なくなる。
「…5万じゃ、ダメか?」
ダメって何が?
「…それが、僕の値段?」
「そういうつもりじゃ、ない。」
「いらないよ。何にも。」
「岬、」
あの夜、恋に浮かれた僕に煽られるように、若林くんは性急に僕を求めてきた。
そして初めての行為で血を流してしまった僕に、若林くんは何度も何度も謝罪してきた。
謝らなくていいのに。
若林くんは、謝るような事なんて何もしてないのに。
そんなに謝られたら、まるで。
「岬、俺は」
「あの時の事、後悔してるの?」
堪らなくなって、短刀直入に切り出した。
「………」
「僕はしてないよ。」
精一杯まっすぐに若林くんを見つめる。
見つめ返す若林くんの視線は、悲しくなるくらい暗かった。
「…俺は、してる。もうしない。あんな事は。」
「………」
「すまなかった。」
「………」
何かを言いたいのに言葉にならなくて、ただ小さく「うん」と頷いた。
「…だから、岬、受け取ってくれないか?」
始まりの会話に戻って、若林くんが酷く神妙な顔で僕を見つめる。
もう結論は出ている。躊躇うだけ時間の無駄だ。
「……うん。」
さよならの予感に震えながら、僕はただ言われた通りに目を閉じて手を差し出した。
その手に紙幣の入った封筒が載せられる事はなく。
明らかに違う感触に思わず目を見開く。
「若林く」
「ごめん。岬。これからは、もっと大切にするから。」
不意に抱き寄せられて、甘く熱く囁かれる。
驚く僕の左手の薬指には、酷くシンプルな銀色の指輪が光っていた。


END


きやあああ!
夜中なのに、またもや奇声を発しそうになりました。
皆様、どうしてこんなに素敵なお話を書けるのですか!!
そして、こんなに素敵な宝物を頂いても良いんですか!!

くぅー、らぶらぶです!甘いです!
謝られるようなことじゃない、と言う岬くんと、
あんな事、と辛く思う若林くんとの二人だから
あの夜のことは愛の行為になったのだな、と感じました。

viva 1周年!
でも、連日、宝物に撃ち抜かれて、私の身がもちません。

幸運に舞い踊るものの、ここで運を使い果たしていたらどうしよう。

銀月星夢様、本当にありがとうございました。
恩をあだで返すような蛇足をすみません。

from past log<2009.9.15>
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック


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