※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。 とりあえず、夏が終わる前に書いてみました。 
「花火始まったぞ」 縁側の若林くんの声にも、顔を伏せて答えなかった。確かに遠くから、花火の音が聞こえ、明り取りの窓では時折光が弾ける。 黙ったまま、団扇を手に、汗ばんだ肌を冷ます。まだ動くのは辛いので、そっと動いたつもりだったが、衣ずれの音にさえ耳を澄ましていたのか、若林くんは静かな声で問うた。 「まだ、辛いのか」 煽いでいた団扇を置いた。頭の芯が冷える一方で、顔には血がのぼる。
決して、一方的な行為ではなかった。 それでも、心は未だ静まらない。
「すまなかった」 障子越しに声がした。顔も合わせにくいという僕の言葉を真に受けて、若林くんは縁側に出たきりで、さっきまでは杯を重ねる音ばかり響いていた。 「謝らないでよ」 きつい口調になってしまったことを悔やみながら、障子を開けた。若林くんはこちらを振り返り、いかにも心配げに僕を見遣った。 「僕が良いって言ったんだから」 いつかはこうなると思っていた。それを恐れ続けていた僕を、若林くんはずっと待ってくれていた。 「だから、お願いだから、謝らないで」 確かに、今も辛い。でも、僕を押し殺すのは、全身の痛みか心に広がる、どう表現すれば良いのかも分からぬ、この気持ちか。 「岬」 抱き締めてくる強い腕の袖を、そっと掴んだ。遠くでは花火の音が聞こえていたけれど、後からどんなに思い出しても、その時の花火は思い出せなかった。
(おわり)

拍手ありがとうございます。 先日、買い物に行って、メンズの絽の浴衣に魅了されてしまいました。 黒地で、若林くんに似合いそうだ、と描いてしまったのですが・・・ こんなんじゃないんですよっ!!もっとカッコいいんです。着物も若林くんも。 そんな今日の若林くんは敬愛するHさまに押し付けます。 岬くんがいつもより年上なのも我ながらナゾです。
今回の背景はぐったりにゃんこ様よりお借りしました。
さくら様、いつもありがとうございます。 成分占い、本当にあてはまらないです。
うちの若林くんと岬くんには緊張感がある、というのは本当にその通りだと思います。 岬くんはすごくプライドが高いから、恋愛も勝負ととらえてしまっていると思います。 その上臆病だから、自分を預けるのは怖い。 そんなことを思いながら書いていたので、妙にスリリングに・・・。 でも、ラブラブなんですよv
拍手のみの方もありがとうございます。励みになります。
from past log<2009.8.25>
スポンサーサイト
テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック
|