※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。 旧拍手文。 
俺の家で話し合った結果、現実離れしているが、 どうやら頭を打った拍子に、入れ替わったらしい、という結論を出した。 「でも、さすがは岬だな。あの状況であんなに冷静なんだもんな」 「ううん、倒れている若林くんを見たら、何とかしないと、と思って。 こっちこそ、現状認識して、対処する早さに、さすがは若林くんだと思った」 岬はそう言いながら、俺の椅子に座ったまま目を上げた。 「それより、今晩僕の体をこっちに泊めてもらうのって無理かな?」 岬は夕飯の材料を持ったままだった。 岬の親父さんが帰って来るのなら、その方が無難に違いない。 「いいぜ。家の人間に友達を泊めたいって言ってくれよ。誰も反対しないから」 「分かった。その後、一旦僕の家に戻って、用意をしようよ」
相談の通りに一旦岬の家に戻り、置手紙と着替えを持って、 俺の家に戻ると、二人して俺の部屋で倒れこんでしまった。 「今日は疲れたな」 「うん。何が何だかさっぱり」 ベッドに寝そべりながら、何となくお互いの姿を見た。 自分の目に映っているのが、見慣れた自分の姿であることに絶望しながらも、 目を逸らすこともできない。 「僕って小さいんだね」 「俺は・・・偉そうに見えるな」 事態に困惑しているくせに、奇妙な高揚感があるのも確かだった。 「お屋敷の人、誰も気付かなかったね」 「岬、俺の真似うまいな。俺よりちょっと偉そうだけど」 俺のふりをして振舞う岬に、誰も気付く様子はなかった。 とはいえ、親兄弟がいたら、気付かれていたかも知れない。 それを危惧して、一緒にいる方が安全だと勧めた岬はやっぱり賢い奴だと思った。 「それより岬、引越しはいつだっけ」 「一週間後」 俺の顔をした岬は、冷静に言い切った。
鏡の向こうに、岬太郎の姿を見て、思わず身をすくめた。 まるで、大会中の合宿の続き、のようだと思う。 自分の家でこんなに誰かと一緒にいるのはいつ以来か、分からなかった。 一緒に食事をして、話をして、そもそも一緒にいる根本原因を除けば、楽しくて仕方なかった。 それでも、さすがに風呂だけは別にすることにしたのだが、それがかえっていけなかった。 浴室の鏡で、いつものように何気なく見て、動きが止まる。 透き通るような白い肌に、甘く優しい顔立ち。ほっそりとした手足に、すらりとした身体。 つい、吸い寄せられるように鏡を見つめた。 もっと近くに、とは思っていた。 独特で、知ってしまった者には何故か強烈な印象を与える不思議な相手に。 それがこんな形になるとは思わなかった。 気付いたら、何だかとてもドキドキして、俺は鏡に映る相手に唇を寄せた。
(つづく)
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拍手ありがとうございます。 お礼文、続いてしまってます・・・。 何だかあやしげなことになっていますけど・・・。
from past log<2009.8.10>
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック
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