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今日のきみとぼく
源岬への愛だけで構成されております。
転校生(2)
※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。
旧拍手文。

sleepy.jpg

 俺の家で話し合った結果、現実離れしているが、
どうやら頭を打った拍子に、入れ替わったらしい、という結論を出した。
「でも、さすがは岬だな。あの状況であんなに冷静なんだもんな」
「ううん、倒れている若林くんを見たら、何とかしないと、と思って。
こっちこそ、現状認識して、対処する早さに、さすがは若林くんだと思った」
岬はそう言いながら、俺の椅子に座ったまま目を上げた。
「それより、今晩僕の体をこっちに泊めてもらうのって無理かな?」
岬は夕飯の材料を持ったままだった。
岬の親父さんが帰って来るのなら、その方が無難に違いない。
「いいぜ。家の人間に友達を泊めたいって言ってくれよ。誰も反対しないから」
「分かった。その後、一旦僕の家に戻って、用意をしようよ」

 相談の通りに一旦岬の家に戻り、置手紙と着替えを持って、
俺の家に戻ると、二人して俺の部屋で倒れこんでしまった。
「今日は疲れたな」
「うん。何が何だかさっぱり」
ベッドに寝そべりながら、何となくお互いの姿を見た。
自分の目に映っているのが、見慣れた自分の姿であることに絶望しながらも、
目を逸らすこともできない。
「僕って小さいんだね」
「俺は・・・偉そうに見えるな」
事態に困惑しているくせに、奇妙な高揚感があるのも確かだった。
「お屋敷の人、誰も気付かなかったね」
「岬、俺の真似うまいな。俺よりちょっと偉そうだけど」
俺のふりをして振舞う岬に、誰も気付く様子はなかった。
とはいえ、親兄弟がいたら、気付かれていたかも知れない。
それを危惧して、一緒にいる方が安全だと勧めた岬はやっぱり賢い奴だと思った。
「それより岬、引越しはいつだっけ」
「一週間後」
俺の顔をした岬は、冷静に言い切った。

鏡の向こうに、岬太郎の姿を見て、思わず身をすくめた。
まるで、大会中の合宿の続き、のようだと思う。
自分の家でこんなに誰かと一緒にいるのはいつ以来か、分からなかった。
一緒に食事をして、話をして、そもそも一緒にいる根本原因を除けば、楽しくて仕方なかった。
それでも、さすがに風呂だけは別にすることにしたのだが、それがかえっていけなかった。
浴室の鏡で、いつものように何気なく見て、動きが止まる。
透き通るような白い肌に、甘く優しい顔立ち。ほっそりとした手足に、すらりとした身体。
つい、吸い寄せられるように鏡を見つめた。
もっと近くに、とは思っていた。
独特で、知ってしまった者には何故か強烈な印象を与える不思議な相手に。
それがこんな形になるとは思わなかった。
気付いたら、何だかとてもドキドキして、俺は鏡に映る相手に唇を寄せた。

(つづく)

(3)へ

拍手ありがとうございます。
お礼文、続いてしまってます・・・。
何だかあやしげなことになっていますけど・・・。

from past log<2009.8.10>
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック


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