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今日のきみとぼく
源岬への愛だけで構成されております。
夏の日(2)
※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。

 強引に招き入れた割りに、若林は親切だった。誘い文句の通りの、冷たい牛乳だけでなく、ケーキまで出されて、岬も笑顔にならざるを得なかった。
「冷たーい」
冷たい牛乳を飲みながら、嬉しそうに微笑む岬に、いつもはたいていジュースの若林も、つられて牛乳を頼もうかと思ったくらいだった。その上、ケーキを大事そうに楽しむ岬に、若林は苦笑しながら、ケーキを差し出した。
「岬、こっちも食べるか?」
岬が食べると、ケーキはさらに甘く美味しそうに見えた。それでも、岬が喜ぶ顔が見たくて、仕方がない。
「ううん。良いよ。そんなに食べたら、晩御飯が食べられなくなっちゃう」
「岬は少食なんだな」
「普通だよ」
そんな話をしながら、岬は自分の分のケーキをたいらげた。そんなにうまそうに食うなら、もっと食べさせてやりたい、と若林は思った。じっくり見られているとは思わず、食べ終わった岬はごちそうさま、と手を合わせた。
「ごめんね、急にお邪魔したのに、ケーキまで」
「いや、今日は翼がいなかったから、その分走ってただろ?」
岬がタフなのは若林も知っている。ただ、その華奢な体がいつもより跳び、走るのは目を引いた。…ずっと、話しかけたかった。
「よく見てるね」
穏やかに微笑みながら、岬は部屋の涼しさを堪能するように顔を上げた。天井の高い部屋は広くて、それだけでも涼しく感じ、隣の部屋の気配すら感じる自分の家とはあまりに違う。
 その岬の様子を、一見穏やかな表情で見つめる若林の内面は、全く穏やかではなかった。この小さい相手の何が自分をふりまわすのか、よく分からなかった。見飽きない笑顔も、うっとりするような優しい声も、自分を駆り立てるようで、黙っているのも辛く感じる。
「・・・ずっと、見てた」
ずっと話したいと思っていた。それが、近くで見る岬太郎は、思っていたよりも可愛らしくて、大きな目がきらきら輝いて瞬く度に、動転してしまって、言葉が出てこない。
「石崎くんも、そう言うよ。翼くんと僕が走ってると目を引かれる、って。若林くんにそう言ってもらえると、光栄だよ」
岬はするり、と笑顔で話をそらせた。人当たりの良い岬は、他人から一方的に好意を寄せられることも少なくない。その場合の対処も慣れたものだった。
「じゃあ、僕帰るね。晩御飯の支度しないと」
立ち上がりかけた岬だが、若林の方が一瞬早かった。岬の手を掴んだ若林は、岬を見上げた。

(つづく)

今日も疲労困憊で、めちゃくちゃ眠いです。
でも、明日も忙しいので、必死更新。・・・日本語になってません。

from past log<2009.8.9>
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック


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