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今日のきみとぼく
源岬への愛だけで構成されております。
機嫌を直して
※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。

「いい加減機嫌直せよ」
「・・・だって。若林くんが悪いんだよ。人前で手掴んだりするから」
確かに、人前で手を掴んだのはまずかった。だが、あの場合は仕方なかった。
 岬に人気がある、というのは想像もしていたし、知らなかった訳でもない。ただ、優しい笑顔を向ける岬に対して、無遠慮に手や髪に触れた奴がいたのには、腹が立った。それで、囲まれている岬の手を握り、さっさと歩き出した。
 通りすがりには一応「失礼、急ぐので」と声をかけたし、みんな気をよく道を開けてくれた。
「だから、謝ってるだろ?」
「誠意が感じられない」
 唇を尖らし、睨み上げる岬は、本人とすれば大いに不本意に違いないのだが、とにかく可愛くて、触れたくなって仕方がない。
「もうしないって」
「前もそれ聞いた」
そう言って、じっと見上げてくる目はきらきらして、見つめていると吸い込まれそうに綺麗だと思う。心も身体も、岬はすべて綺麗で、その存在だけで俺を酔わせてしまう。それこそ、理性も追いつかないほど。抱き締めても抱き締めても足りない。もっともっとお前が欲しい。そんな渇望なんてなさそうな、天使のようなお前にもっと触れたい。
「じゃあ、俺にずっと我慢しろって言うのか?」
急に手を握り締めた俺に、岬は瞬きを繰り返す。
「え、え、そんなこと言ってないよ」
潤んだように光を湛える瞳が俺を見つめ返す。
「人前で触ったら駄目、二人っきりでも駄目、なら俺はいつお前に触れば良いんだ?」
「若林くん・・・」
「答えろよ、岬」
真顔のまま、岬を凝視した。岬はいつも俺が謝ると思っている。岬のわがままなんて可愛いもんだし、それで機嫌を直してくれれば、大人気なかったと反省して、いつもより少しだけ素直な岬が堪能できるのだ。
 だが、今日は折れる気はなかった。唇を尖らせて、少し怒っている岬はあんまり可愛くて、どうも逆らいたくて仕方なくなってしまったから。
「・・・もしかして、怒ってる?」
「そうでもない」
ぶっきらぼうに言った俺に、岬が少し不安げな顔をみせた。・・・俺の前ではどれだけ甘えても良いと思っているお前は何て可愛いんだろう。
「ただ、早くお前に触りたい」
わざと突き放したように言うと、岬は本当に嬉しそうに微笑んだ。
「・・・若林くんったら」
照れた口調で、恥ずかしそうに言う岬を抱き寄せる。岬は安心したのか、いつもより少しだけ早く俺の肩にもたれてきた。柔らかい髪の感触や、いつもの岬の匂いに、意地悪をしてしまった罪悪感が湧き上がってくるけれど。こうして、触れているだけで、お前の信頼が伝わってくるようで、しみじみと幸せを感じてしまう。

「怒ったりしてないぜ。俺がお前のことどんだけ好きか、知ってるだろ?」

 全面降伏の言葉に、岬は俺の首にまわした手を伸ばして、そっと髪を撫でてきた。岬の甘えるような仕草が、岬の気持ちを表しているようで、俺はもう少し幸せになる。

 なあ、岬。俺はいつだってお前を許している。お前だけは俺に何をしたって構わない。

(おわり)

たまにはいぢわるな若林くんを、と思ったのですが・・・何なんでしょうね。

これと対で書いていたはずの話がまだ書けていないので、先に出すのは後悔しきりなのですが、
今日は諦めて早く寝ます。

from past log<2009.5.24>
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック


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