※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。 昨日の続きです。 「岬、随分早いな」 早い、のではなく眠れなかったのだとは言えない。 「若林くんこそ・・・」 顔色に出ていなければ良いんだけれど。視線を逸らしかけた時に、若林くんがじっと見ているのに気付いた。何でもないふりをして、僕は若林くんの分のコーヒーをカップに注ぐ。 「若林くんはブラックだよね」 「ああ。ありがたい」 差し出したカップを受け取る若林くんの口調に、つい笑ってしまった。あっという間に緊張が解けてしまって、やっぱり敵わないな、と心の中で舌を巻く。 「・・・若林くん、年幾つ?」 「岬より半年年下」 とてもそんな風には思えないよ。君はいつも落ち着いていて、余裕があって。風貌や口調だけで若年寄、と呼ばれている訳じゃないと僕が一番知っている。君の腕は温かくて、君の心は広くて。君に包まれる人はきっと幸せに違いない。 「岬はカフェオレ?」 「ううん、カフェ・ウフ。・・・飲んでみる?」 心が疲れていたから、いつもより甘めにしたカップを差し出した。 「良いのか?」 聞き返す若林くんに、小さく頷く。 「じゃあ、貰って良いか?」 若林くんは僕のカップを受け取ると、飲み始めた。
若林くんの喉が動いた。男らしく太い首は喉仏や血管が目立っていて、もう、大人の男の人なのだと思う。・・・僕の方が半年も年上だとは思えない。
もう、あんな時間はなくて当然だ。僕だけが好きだったんだから。こんな感情を向けられたら、若林くんはきっと迷惑に違いない。
「美味しいでしょ?」 視線を上げた若林くんと目が合って、僕は苦しいまま、言葉を繋いだ。
もう、帰ろう。それで、もう二度と来ない。傷つくくらいなら、忘れてしまう方がずっとマシだ。
苦い思いで、甘いコーヒーを手に取った。まだほのかに暖かいカップを手にした僕に、若林くんが声をかけてきた。 「岬、俺はお前のこと・・・」
(つづく)
拍手ありがとうございます。 まだ続きます。やっと(1)のラストにまでこぎつけました。長かった…。 あまりラストまで詰めずに書き始めるタイプなのですが、(ものすごい行き当たりばったりです) その分、短い話は書き上げてからUPするようにしています。 今回は・・・一番ダメなパターンです。うう。
・クレスリウム王国さまで、捧げたSSをUPしていただきました。 古典と絡めた話で「落窪」。 物語系は今まで、シンデレラ、かぐや姫、赤頭巾、ラプンツェル、鶴の恩返し…(あと、シンデレラ)と書いてきましたが、いつも楽しいです(注:書き手が)。またその内書きたいです。いつも変なものをすみませ?ん。
ついでに、昨日の雑記は書き直したので、ここに置きます。 ・母の日更新はしませんでした。 父の日はしようと思っていたのですが、母の日は違うかな?と。 これについては「コトバは不要だ!!」(byピエール)
・南葛高校アンソロジーを企画されておられる方発見! サイトはこちら。PC用 携帯用 みさPA、連載再開・・・何だか活気づいていて、嬉しいですv
from past log<2009.5.12>
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック
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