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今日のきみとぼく
源岬への愛だけで構成されております。
コーヒー(3)
※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。
昨日の続きです。

 どうしても、気になった。幸せそうな顔で施されたキスに、心は捕らわれたままだった。どんな夢を見たからといって、キスをしたと言うんだろう。朝食の時に尋ねた僕に、若林くんは少し恥ずかしそうに頬に手を当てた。
「結婚式の夢」
「相手はどんな人だった?」

 僕の反応を窺うように若林くんの目が動く。なかなか見ない、悪戯っぽい笑顔に、少し悔しくなった。僕の名前を呼んでおいて、誰かと結婚してしまう、君。
「顔は分からなかったよ」
うっとりするような優しい目をする若林くんの様子で、すぐに嘘だと分かった。
「・・・そうなんだ。気になるよね、そういうのって」
笑顔を作る度に、心にもないことを言う度に、喉にささったトゲが痛む。
「でも、若林くんのお嫁さんなら、きっと幸せだと思うな」
だから、たった一つだけ本当のことを言った。君に愛された人はきっと幸せに違いない。
「ああ、幸せにするよ」
君の言葉に、胸に刺さったトゲから、血が流れた。

 それから、しばらく経つ。何となく理由をつけて、若林くんに会うのを引き延ばして来たけれど、会いたくなってしまったのは僕の方だった。

 でも、若林くんはそうでないのかも知れない。

 僕が来ると、困るのかも知れない。

 僕がいつものように泊まると言った時、若林くんは目をそらした。隣で眠りたいといった時には、何だか機嫌が悪そうで。

 ・・・きっと、ちゃんと寝室に招き入れる相手がいるのだと思った。あの夢のように大事な相手なんだろう。僕を寝室に入れたりしたら、確かに困るかも知れない。

 でも、それならちゃんと言ってくれたら良いのに。それなら、僕はいつものように笑って、聞いてあげるのに。・・・君を困らせるようなことはしたくない。

「おやすみ」
それなのに、背中に視線を感じた。振り返った僕に、若林くんは恐い顔をしていた。

 客用のベッドに横になっても、ほとんど眠れなかった。だから、できるだけ静かに荷物の整理をして、いつでも帰る準備を整えてから、身体だけ休めた。

 朝になるのを待って、僕は台所に行った。はっきりしない頭だけでも覚ましておきたくて、コーヒーを淹れる。自分の分に卵黄と蜂蜜を入れて、飲もうとした時、台所に若林くんが入ってきた。

(つづく)

拍手ありがとうございます。
まだ続きます。こんなに長くなるはずじゃなかったのに?。
何を間違えたんでしょう、私は。

拍手お礼:
M☆様。いつもありがとうございます。
おかげさまで「土曜企画」始めました。どうなるかは私にも分かりません…。
そして、「コーヒー」も。ドイツ再会話と思うと、途端に萌えが倍増するような気が。
意識してどきどきしている二人って可愛いですよね。

本田様。いつもありがとうございます。
突然のナンパですみません。同じ都市在住と思うとつい・・・。
メルフォもないブログですが、一応メアドありますので、よろしければご連絡を頂けるとありがたいです。こっちもがっつり本気です!
総長の若林くんは様になりそうです。岬くんに弱い設定もツボです。リーゼントの滝くんとか高杉くんに姐さん呼ばわりされる岬くんを想像しちゃいました。

拍手のみの方もありがとうございます。励みになります。
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あまり返事が早い方ではないんですけれど・・・。

from past log<2009.5.11>
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック


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