※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。 若林くんがマスクをしているので、分かっていただけると思いますが、オリンピックのアジア2次予選オーストラリア戦(ホーム)の試合後です。この試合、岬くんは内心ずっと泣いていたように思えるのです。勝利の喜びもかすんでしまう程に。
ここから、原作のネタばれ含みます。嫌な方はとばして下さい。あと、恐いの苦手な方も。 
ホイッスルが鳴り響いた。 勝利の喜びに酔う、というよりは、呆然とした表情で空を見上げる岬に、駆け寄った。
勝つためとはいえ、立花兄弟のファイナルスカイラブハリケーンは彼らの足を砕いた。絶妙のセンタリングを繰り出しながら、岬は涙を流していた。そして、泣きながら決心をしたのだ。彼らの犠牲を無駄にすることなく、戦い抜き、勝つことを。
だが、勝った今さえ、スタジアムの声援も、歓声も、二人の足の砕ける音の残響を消すことは出来ない。勝利の美酒に酔うどころか、花兄弟のその決心をさせた自分の弱さを岬は責め続けたに違いない。あの怪我さえなければ、もっと自分が強ければ。
「岬」 声を掛けられるまで、岬は静かに佇んでいた。その姿は勝者にはとても見えず、儚く見えた。 「若林くん」 おめでとう、とは言えない。ただ、お前の痛みは俺も負担してしかるべきものだと思う。青空の下、お前を打ち付ける冷たい雨が見えるようで。
「偉かったな」 「・・・」 岬は答えなかった。抱き締めた俺に見えないよう、まっすぐ顔を上げて、岬は静かに身体を震わせた。泣いているのは分かっていたが、見られたくないのも知っていたので、顔を上げずに、頼りない背中を支えた。この細い身体で、よく耐えたと思う。自分のことではなく、人を大切にする岬にとって、今日ほど辛い戦いはなかったに違いない。 「大丈夫か?」 「うん。何とか」 震えの収まった頃に、声をかけると、岬は笑顔を向けてきた。泥だらけの腕で拭いたらしく、顔は泥だらけになっていたけれど、泣き顔を見られるよりはずっとましなのだろう。 「じゃあ、行けよ。もう走れるだろ」 「僕を誰だと思ってるのさ」 そう言うが早いか、岬はさっと走り出した。その後姿を見ながら、勝てて良かったと心から思った。
(おわり)
拍手ありがとうございます。 今日も疲れております。こんな更新ですみません。 この試合について、まだ書くことはできません。 GOLDEN-23は岬くんらしくもあり、岬くんらしくもないため、自分の中で再構築できていないのです。・・・って、こんだけ書いたら十分ですか?
ところで、初めて全日本ユニフォーム描きました。何か違う…。
拍手お礼: M☆様。いつもありがとうございます。 『罪人』切ない、の感想嬉しいです。 岬くんも意識してそうですが・・・若林くんほど辛そうではなさそう(笑)。
さくら様。いつもありがとうございます。 そうですね、お互いそういう感じですよね。悩んじゃったり。 やっぱり幸せでいてほしいので、つい甘いものを書いてしまいます。 後はそちらで。
拍手のみの方もありがとうございます。励みになります。 from past log<2009.4.27>
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック
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