※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。 「友達だと思ってたのに!」 「お前のこと友達だなんて思ったことないよ。ずっと好きだった」 お前にくちづける夢を、お前を抱く夢を、何度も見た。泣きじゃくるお前を綺麗な涙ごと何度も何度も、貪った。
「いやっ」 跳ね退けようとする渾身の抵抗も、圧倒的な腕力の差には敵わない。強引に抱き締める俺に、岬は身をよじって抵抗する。軽々と抱き上げた岬をベッドに運びながら、辛さで胸が張り裂けそうだった。
岬の側にいるのが辛かった。友達をやめたからといって、すぐ恋人になれる訳ではない。それならば、嫌われてしまえば、この苦しみは終わるのだろうか。 どんどん、思考が短絡的になっていくのを自覚していた。気は長い方ではないが、戦略的思考は苦手ではない。防御を固めて逃げ道を塞ぎ、少しずつ追い詰めてゆくことも出来るはずだった。時が熟すまでじっくり待つことも厭わないと思っていた。だが、追い詰められたのは俺だった。
押さえつけた手首を掴む。手加減などする余裕がない以上、相当痛いはずだった。岬は痛がることはせず、ただ俺を睨み上げる。 「もう君とは絶交だ」 「ああ、結構だ」 そう言えればどんなに幸せだろう。お前と会ったことも、すべて忘れてしまえれば、どんなに楽になれるだろう。
「やっ、苦しい、死にそう・・・」 誰かのものになる位なら、俺の手にかかって死んでしまえば良い。
「若林くん、若林くんっ」 呼ぶ声で、目が覚めた。岬は無邪気な顔をして、俺を心配そうに見下ろしていた。気遣う表情に、優しい瞳に、また、夢を見たのだと悟って、安堵した。
まだ触れ合うだけのキスさえしたことがない。拒まれること恐さに、気持ちを告げることさえできずにいる。だからこそ、何の警戒心なしに、隣に眠ってくれるのだろうが。
「若林くん、大丈夫?うなされていたよ」 「大丈夫だ。さあ、明日も早いんだから、もう寝ろよ」 「うん。じゃあ、おやすみなさい」
お前を思い出してからは、苦しくて仕方がなかった。腕の中のお前を奪い、壊す夢ばかり見た。・・・お前に会ったことは人生最大の失敗であり、人生最大の喜びだ。
(おわり)
拍手ありがとうございます。 まだ眠いです。キーボード打ちながら居眠りしたり。 だいぶ前に書いたものでごまかし更新・・・。
拍手お礼: さくら様。いつもありがとうございます。 あんなんですみません。喜んで頂けて嬉しいです。
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from past log<2009.4.26>
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック
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