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今日のきみとぼく
源岬への愛だけで構成されております。
束縛(4)
※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。
最終回です。

 翌朝、食堂に現れた対照的な二人の姿に、薄々関係を知る者は岬に激しく同情し、そうでない者は岬を気遣った。
「わかるわ、若林と一緒やったら、心が休まらんわなあ」
「岬、辛いことがあったら、俺に言えよ」
「大丈夫だよ、あんまり人と一緒に慣れてないから」
気遣う早田と松山に向けられた笑顔には憂いがあり、どことなく艶がある。一方、その隣にいる若林の方には、訳知り顔の二人が立ちはだかる。
「若林くん、頼むから岬くんを壊さないでくれたまえ」
「お前とは違って、チームの要なんだからな」
「何だと、若島津!お前こそゴールは俺に任せて、FWに徹しておけよ」
三杉と若島津のタッグに、若林は露骨に顔を歪めた。したり顔に岬を気遣っている早田にも腹が立つ。そもそもあの手錠が悪いのだ。何をしても、腕から逃げられない岬の表情や、細い手首に絡みついた手錠の音に、興奮が増した。
「そのニヤけ顔、本当にむかつくな」
「何だと、若島津!」
鎖を隔てるだけなのに、二人を取り巻く温度差は激しい。
「岬、飯食べさせてやるよ」
岬の手を引っ張る松山に、若林は手錠を引っ張り返した。
「ちょっと、若林くん、痛いってば」
「飯くらい、俺が食べさせてやる」
普段、他の連中に岬を独占されている恨みからか、若林は岬を誘導すると、さっさと食堂の隅に座ってしまった。
「森崎、悪いが、飯持って来てくれ」
そこで、躊躇なく人を使う辺りが若林である。森崎も何の疑いもない表情で、プレートを二つ運んでくる。
「森崎くん、ごめんね」
「困ってる相手に手を貸すのは当たり前だぜ」
爽やかに頷く森崎に、更に良心の呵責を感じながら、岬は左手でスプーンを取ろうとしたところ、若林は先に手に取ってしまった。
「食べさせてやるよ」
「良いよ・・・」
困惑気味の岬に、若林はスプーンを突きつけた。
「ほら、口開いて」
「そんなに入らないよ」
「大丈夫。しっかり飲み込めよ」

「早田、早く鍵を用意してくれよ。うざいから」
「・・・そおやな。ほんまそう思うわ」
反町の言葉に、早田は心から頷いた。そして、周囲の居たたまれなさを解消する為に、前非を悔い、一刻も早く鍵を用意することを誓ったのであった。

(おわり)

拍手ありがとうございます。
昨日のパートと比べて長いのですが、中身は・・・薄いです。
よく考えたら、久しぶりの連載でした。(前後編はありましたが)
ここまでお付き合いいただいてありがとうございました。

小ネタに終始した手錠話でしたが、萌え話はきっと銀月星夢様が書いて下さると思います。(私の願望です)

from past log<2009.4.15>
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック


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