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今日のきみとぼく
源岬への愛だけで構成されております。
束縛(1)
※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。

「これ、すごいやろ?友達に餞別でもろたんやで」
「へえ、けっこう重いんだな」
「それに、何かごつくね?」
早田が悪友の餞別、という手錠を披露する。合宿所の付近も夜には治安が良くないというので、ご自慢の防犯グッズを部屋から持って来たのである。
「他にも色々あんねんで」
「・・・別に披露してくれなくても良いよ。あまり物騒な物の持ち込みは以後遠慮して欲しいね」
三杉が苦言を呈するものの、早田はどこ吹く風で、手錠をくるくるとまわして見せた。
「それで使えるのかよ?」
言ったのが若林でなければ、早田とてそこまでカチンと来なかったであろう。早くから海外に暮らし、見慣れているとでも言いたげな表情に、早田は口元を歪めた。
「そんなん試してみたらええやろ」

がちゃん。

 激昂の後に続いた金属音に、周囲が目を剥く。黒っぽい鉄の環が若林の左手首に巻きついていた。

「お前っ!」
若林が立ち上がり、早田の襟首を掴むと、吊り上げた。額が付きそうなほど、睨みつける。
「鍵、早く出せよ」
「うるさいわっ」
「おい、やめろって」
「ちょっと、やめなよ」
周囲が慌てて、二人を引き離そうとするが、若林は早田の襟首を掴む手を離そうとはしない。
「早田くん、鍵どこ?」
素早く動こうとした岬だったが、早田は首を振る。
「そんなん、どこにしもたか忘れたわ」
その言い草に若林が更にヒートアップするのは必至だった。若林は床に叩きつけるように早田を離すと、左手の手錠を右手に掴む。
「それなら、お前も同じ目に遭わせてやろう」
若林が動く度に、鎖の音がする。それが奇妙な迫力を生み出して、合宿所で殺し合いはまずい、という集団防衛本能が働いた。
「わー、やめろ、若林!」
「若島津、そっち押さえてくれ!」
暴走を始めた若林を周囲が必死で押さえつける。さしもの若林も、若島津と松山、次藤の三人がかりで押さえられてはたまらない。それでも腕を伸ばして、早田の手首を掴んだ。
「駄目だよ、若林くんっ」
もう一度金属音がして、手錠が捕らえたのは、早田ではなく、それを庇った岬だった。

(つづく)

拍手ありがとうございます。
ネタ考え付かなかったので、この前に書いたのを。
「身も心も」よりはドタバタだと思いますが、これもうちのカラーかな?と。
続きます。

from past log<2009.4.12>
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック


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