fc2ブログ
今日のきみとぼく
源岬への愛だけで構成されております。
留守番電話
※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。

 それは突然始まった。
 明日帰ると言う岬を引き留めている時に、電話がかかって来た。俺の部屋のナンバーを知る奴も少ないし、時間が時間だったので、緊急かと思い、岬に断って電話に出たところが。
「ワカバヤシ、聞いてくれよ!」
女に振られたばかりのチームメイトからと来た。しつこいのと愚痴っぽいのと電話が長いので、まともに取り合う奴が少なくなり、ついにそう親しくもない俺に電話をかけて来たらしい。
「すまないが、今来客中でな」
「こんな時間にか?嘘つけ」
「友達が泊まりに来ているんだ」
「俺だって、友達だろ?なあ、聞いてくれよ」
聞きしに勝る煩わしさに、出なければ良かった、と後悔する。
 明日はオフだ。岬の出発を明後日の早朝に変えてもらえば、まる一日、一緒にいられる。…三年の空白を取り戻すのに、少しでも時間があった方が良い。
 それなのに。
 奴は一向に電話を切ろうとはしない。そのうち、岬が黙って立ち上がると、電話の横のメモにさらさら、と書いて寄越した。
「若林くん、明日の用意があるから、寝るよ。おやすみなさい」

 そのまま、手を振って背を向ける岬に、俺がいかに淋しかったか。だが、岬がそんなに素っ気ないのは、やっぱり淋しかったからだ、と思った。静かに寝室に消えて行く岬に対し、電話の向こうで騒ぐ奴に、ますますうんざりした。
「おい、お前。文句があるなら、お前を振った女にかけろ。人に迷惑をかけるな!」
言いたいことだけ怒鳴ってから、受話器を叩き付けた。それから、岬を追い掛ける。
「岬!」
足を早めたのを追い掛けて、細い手首を掴んだ。
「なに?」
「ごめんな。それとあと一つだけ」
俺のあまりの剣幕にさしもの岬も驚いたようで、困ったような顔でそれだけ言った。
「・・・好きだ」
抱き寄せても岬は苦情を言わなかった。
「電話、出なくて良いの?」
留守電にした電話で、奴が何やら叫んでいる。
「良いんだ。もう話は終わった」
俺の方はもう用はない。ただ、奴から俺は多くのことを学んだ。

 恋人と喧嘩をしたらすぐに謝ること。

 そして。

 必要な言葉は簡潔に。

 そして俺は次の日も楽しく過ごした。

(おわり)

拍手ありがとうございます。
思いついたので、書いてみたら・・・アメリカンジョークか!?という感じです。欧米か。

拍手お礼:
M☆様、いつもありがとうございます。
お気遣いもすみません。
お気に召したかはともかく、萌え加速は納得して頂けたかと。

拍手のみの方もありがとうございます。励みになります。

from past log<2009.4.6>
スポンサーサイト



テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック


コメント

コメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する


トラックバック
トラックバック URL
→http://sukinamono11.blog63.fc2.com/tb.php/305-83ac66b7
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)