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今日のきみとぼく
源岬への愛だけで構成されております。
桜の花の下
※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。

 それは桜の季節だった。川沿いの桜並木をくぐって行けば、どこまでも桜の花びらが迫って来るようで、薄紅の雪は、風が吹く度に舞い上がり、僕達に降り注ぐ。
「きれいだね」
「ああ」
そう長くはいられない。二人で一緒の時間はまるで桜だと思う。いつかは終わるとは分かっていながらも、心は奪われ、かき乱される。
「春の心はのどけからまし」
昔習った和歌を思い出した。「世の中に桜がなければ、それがいつ咲くか散るかと、心を乱されることもないだろう」とひねくれて桜を恋い慕う歌だが、かえって桜の持つ独特にして稀有の魅力が伝わる。
好きになりさえしなければ。心をかき乱されたりはしなかった。一緒の時間が終わる気配だけで、言葉少なになってしまう。

 つい声にして呟いた僕に、ふわりと後ろから手が伸びる。
「知ってる。それでも心はかき乱される」
僕を捕らえた手は優しいのに、しっかりとしていて、きっと逃がしてはくれない。
「・・・俺だってそうだから」
少し低い声が、僕の耳元を掠める。振り返ると、若林くんは静かに微笑んでいた。
「まだまだ修業が足りないな。お前に惚れた時から平常心は鍛えたつもりだったけど」
若林くんの言葉に、つい笑いを誘われる。おどけてみせた若林くんにつられたのもあるけれど、心は一緒だと思えば、嬉しくてなってしまう。
「春は仕方ないよ。日本人だから、桜に惑わされるのは」
桜のせいにして、空を見上げた。淡く香る花霞に覆われた空は澄んで、殊更にきれいに見えた。

(おわり)

拍手ありがとうございます。
今日は桜、そう決めていました。
二人の生き方には本当に桜が似合うと思います。

拍手・コメントお礼:
いつも様。いつもありがとうございます。
思いっきりつっこんであげた方が良いと思います。
雑魚だらけって、それはフランスの川というよりもフランスJrチームのこと・・・すみません、それは禁句でした。

さざえ様。いつもありがとうございます。
4月1日には、ドラエモソのサイトさえスネヲにのっとられていましたから、何でもありでしょう。
下品メールすみません。性癖がばれますね。後はメールで。(ここにはとても書けませんっ)

TOM様。ご連絡ありがとうございます。
ブログですので、更新が簡単なのです。融通は利きませんが。
ろくなコンテンツはないのですが、愛だけで頑張ります。
また、後ほどご連絡させて頂きます。

M☆様。いつもありがとうございます。
感想も嬉しかったです。
リクエストも了解しました。一応、剣で二人が戦っている話は、パラレルですが「殿様白浪」(クレスリウム王国様に引き取って頂きました)で書いたことはありますが・・・心残りです。力が及ぶかどうかは別として、是非書かせて頂きたいと思います。しばらくお待ち下さいませ。

拍手のみの方もありがとうございます。励みになります。
そして、転校生続きものですみません。

from past log<2009.4.3>
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック


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