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今日のきみとぼく
源岬への愛だけで構成されております。
司令ご乱心(2)
昨日の続きです。
※謎の三次創作。同人的表現あるので、苦手な方はご注意下さい。
 次の日、司令本部で岬はため息をついた。
「岬、どうした?」
「顔色が悪いぞ」
「えっ誰か顔が悪いの?」
まぜっ返したけとばしレッドこと翼を即座に沈めた二人、日向と松山にのぞき込まれ、通信席に座っていた岬はインカムを外した。
「ん・・・ちょっと・・・」
普段から色白の岬の顔は、青白く透き通りそうだ。
「熱があるなら、いくらでも氷を出してやるからな」
寒波を自在にコントロールできる、けとばしブルーこと松山が優しく言えば、熱をコントロールできる、けとばしブラックこと日向が逆サイドで吠える。
「寒いなら、俺がいくらでも暖めてやるぞ!」
「キャプテン、不潔です!暖めてやるだなんて!」
若島津まで混じって、おさまりのつかない周囲に岬はため息をついた。
「気持ちは嬉しいんだけど・・・どうして僕の周りにはまともな人がいないんだろ・・・」
一人で頭痛薬を飲み、一人で私室に戻ることにした岬は、若林司令に声をかけた。何せ玄関からホールまで1kmもある若林邸、早退も命がけである。
「若林司令、具合が悪いから早退します」
この場合、三杉参謀に声をかけるのは自殺行為である。先日、胃薬を飲んでいるところを見られ、三杉参謀特製薬を飲まされそうになったばかりの岬である。
「具合が悪いなら、ドリブルーンで送ってやるぜ」
若林司令はその強い力で足を高速回転させることにより、空を飛ぶことができるのだ!これが若林飛行形態”ドリブルーン”である。若林家にはバスも走っているが、この司令本部は一応秘密戦隊なので、路線外範囲なのである。
「とりあえず、お薬だけでも飲んではどうだい?一体どうしたの?」
三杉参謀が取り出した謎の錠剤は断りながら、岬は椅子に座った。
「それが・・・昨日全然眠れなくて」
「確かに睡眠不足は美容の敵だよね」
三杉の言葉に、頭を抱え込みつつも、岬は続ける。
「昨日、寝ようとしたら何か気配がして・・・」
「まあ、岬は俺と同じで繊細だからな」
松山の言葉に一同が冷たい視線を向ける中、岬が言う。
「幽霊とかなら、頼んだら消えてくれるんだけど・・・」
改心波(カタルシスウェーブ)の使い手らしいことをさらっと言うと、岬はため息をついた。
「それなら、監視カメラを見てみれば良いんじゃないか?」
後ろで腕組みをしていた若林司令は、さっと立ち上がるとすたすたとモニターを映し出した。
「おい、若林司令があんなに動くの久しぶりじゃねえか」
「ああ。何か天変地異の前ぶれのようだぜ」
松山と日向の囁きも意に介さず、モニターに画像が映し出された。
「う・・・ん」
モニターには薄闇の中、苦しそうに寝返りする岬の姿が映し出された。
「何かやけに良い部屋じゃないか?」
「別に変なものは映ってないね」
翼の言葉に、完全に青ざめた岬が首を振る。
「・・・部屋のどこにビデオ付けてあるの?」
言われると確かに不自然ではある。ベッドに寝ている岬の顔をほぼ正面から追い掛けるカメラ。一瞬視界が窓を向いた時に、映り込んだ影に、司令本部は騒然となる。
「・・・若林司令」
ビデオを構える人影は見紛う筈もない。
「てっきり外国産のストーカーかボール結社のスパイの仕業かと思ったんだけど」
三杉参謀は言い放つと、盟友若林司令に視線を向けた。
「とりあえず諸君、若林司令を捕まえてくれたまえ」

(つづく)

from past log<2008.10.2>
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック


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