※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。 くしゅん 久しぶりに会ったというのに、岬は大きなマスクを装着していた。可愛い顔がほとんど見えないのは残念だが、それ以上に、心配になる。 「大丈夫か?」 岬は見かけの割に意外と丈夫で、しかも自己管理が徹底していて。風邪を引いたなんて聞いたことなどない。 「うん、大丈夫だよ。もうくしゃみだけだから」 そんな状態でも来てくれたのは本当に嬉しかった。抱き寄せようと伸ばした腕は、しかし、宙を切る。 「駄目だよ。伝染るから」 今、本気で避けられたらしい。かすりもしなかったぞ。眼を剥く俺を宥めるように、岬はマスクで隠れてはいない目元を和ませた。 「大丈夫だって」 あの岬を屈服させたウイルスというのは気にかかるものの、俺も滅多に風邪などひかない。なお近付く俺を、岬は冷静に避けた。 「どうしてそう聞き分けないの!治りかけが一番伝染りやすいんだから」 せっかく目の前にいる岬に、触れたくない訳がない。いつものように、華奢な身体を抱き締めて、目で、指で、唇で、幸せを満喫したい。 「それでも会いに来てくれたんだろ?」 俺の言葉に、岬はくしゅんと可愛いくしゃみをした後、静かに微笑んだ。目元しか見えないのに、岬が微笑んでいるのがはっきり分かる。 「ごめん・・・君に会うと元気出るから、会いに来た」 熱などないはずなのに、マスクをかけた耳まで赤い。正直とは言えない岬の口に反して、その表情にははっきりと会いたかった、とか好きだ、とか書かれている。それだけで十分嬉しくなる位に。 「来てくれてありがとうな。会いたかったぜ」 「うん、僕も」 フェイントで捉えようとしたところを、また逃げられてしまった。あまりに鮮やかにすり抜けられ、腹立ちを通り越して、感心する。さすがはフィールドのアーティスト。並の実力ではない。 そして、思う。今まで岬が避けずに抱き締めさせてくれていたことを。恥ずかしい、とかダメ、だとかもう信じない。 もっとも、最初から信じてはいなかったけれど。
お前にこんなに愛されて、俺は本当に幸せだぜ。
(おわり)
拍手ありがとうございます。 岬くんはいつもは本気で抵抗していない、が書きたくて。風邪の時は、接触感染があるので、触らない方が良いのですが・・・若林くんは耐えられるのでしょうか?
拍手お礼: いつも様。いつもありがとうございます。 デザートポッキーおいしそうですね。 いっそうおいしく召し上がって頂く助けになれば、嬉しいんですけれど。
拍手のみの方もありがとうございます。励みになります。
クレスリウム王国の銀月星夢様に、ネタふりをされてしまったので、 明日アップするつもりです。・・・という反応で合っていますよね?
from past log<2009.3.29>
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック
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