※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。 昨日の続き、かな? 
岬を置いて歩き始めた石崎であったが、やはり気になって、後ろを振り返った。そして、口から心臓が飛び出そうになる。岬が誰かと熱烈なキスをしている様が目に入った。すらりとした岬の身体に覆いかぶさるようにキスをしている男は。 「若林・・・」 石崎が昔からよく知る男に他ならない。恵まれた才能を伸ばし、日本の守護神と呼ばれる男だった。幼い頃から、圧倒的な存在感で、無視することすら能わず、憎らしくて仕方なかった相手だった。きっともっと側にいれば憧れてやまなかったに違いない。一方の岬は、華麗なプレーと優しい存在感で、味方も敵も等しく引き付けてやまない、誰よりも強くて優しい男だった。 その二人がキスをしているのは、非常に意外であり、非常に相応しいことのように思えた。石崎の知る者の中でも、特に強く輝く二人は、他の者を寄せ付けない。孤高、とでもいうべき一面を持っている。そういう面がなければ、何かを極めるのは難しいのかも知れないが。身近に三人の天才を見てきた石崎にとって、天才とはまず孤独、だという印象がある。その二人がお互いに支える相手であるのならば、二人の為に、少しだけ喜ばしいことだと思う。 一瞬だったはずの二人のキスは、石崎には長い長い時間に感じられた。歩き出した二人に気付かれぬ様、平然を装う石崎の手と足は同時に動いている。 「あ、石崎くん。ごめん」 「みんなはあの辺りにいるぜ。Jリーグストラップの売り上げチェックしてるんだと」 いつもなら、一番に飛び付くはずの話題にも関心が持てぬまま、石崎は隣を歩く岬を盗み見た。元々きれいな顔立ちなのだが、雪のような肌がうっすら色づき、見慣れた石崎ですらドキッとする程、美しい。 「岬」 「ん?石崎くん、何?」 石崎は何か言いたいと思った。誰が認めなくても、自分は味方だとか、幸せに、とかそういう気の効いたことを言いたかったが、何も出てきそうになかった。驚きと、でもじわじわと胸に広がる嬉しさと不安と。それらがないまぜになって、言葉にならない。 「お前は早く日本から出て行けよ。こんな風に見送る方じゃねえだろ」 石崎の言葉に、岬は一瞬目を見開き、それから微笑んだ。 「ありがとう。僕ももう決めた」 力強い言葉とともに浮かべた笑顔は、石崎すら見惚れる程、きれいだった。 その言葉がまもなく実現することを、石崎は誰よりも強く願った。
(おわり)
拍手ありがとうございます。 今日は忙しかったので、遅い目更新です。 石崎くんのイラスト描いた記念に。 昨日、石崎くんばかり注目が集まったのです。初めて描いたのに。うふふ。 ・・・と思っていたら、携帯では見られなかったようなので、急いで復旧したいと思います。
拍手お礼: いつも様。いつもありがとうございます。 石崎くんをご指名いただいたので、再UPです。 切ない系、も書きたいとは思うのですが、いかんせん腕が…頑張ります。
さくら様。いつもありがとうございます。 空港からのご帰還お疲れ様です。 石崎くん、今日も出ておりますので、帰って来られたら是非。
拍手のみの方もありがとうございます。励みになります。
from past log<2009.3.24>
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック
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