※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。
本日も xxx-titlesさまよりお題をお借りしています。 お題一覧はこちら 岬が寝室に立て篭もって、もはや2時間が経とうとしていた。バカなことしたな、と自然に頭も冷えてくる。それどころか、寒さを感じ、岬は仕方なく洋服のままベッドに入った。 「・・・」 取り立てて何があったという訳ではない。ただ、構おうとする若林を、振り払ってしまった自分が許せなかった。 今年の冬も勝てなかった。惜敗と言われても負けは負けで、岬はしばらくは悔しくて眠れなかった。それでも会いたいと誘ってくれたのに。・・・優しくされると泣き出しそうな自分に気付いて、つい振り払った。 多分、気付かれている、と岬は思う。優しくされたい自分にも、優しくされたくない自分にも。そのどちらをも包んでくれる腕に甘えたら、もう戻れない気がした。 「ごめんね、若林くん」 一人なら簡単に言える言葉も、出て来ない。相当弱っていたことを改めて自覚して、岬は布団に顔を埋めた。温かいだけではなく、若林の匂いが残っているのを感じて、岬は何ともやるせなくなる。こうして、素直に甘えられない自分は可愛いとは思わない。それなのに、愛して欲しいと願っている。
岬を起こさないようにそっとドアを開けた。自分の寝室なのだから、カギくらいは持っている。できるだけ静かに開錠し、できるだけ静かに忍び入った。 「岬?」 物音がしなくなってから、1時間。篭城したドアの内と外で3時間も無駄にしてしまった。そう度々会える訳ではないのに、と残念だが、岬がそんなわがままを言うようになったのは、大きな進歩だと若林は思っている。自分には甘えてくれても良い。 ベッドで掛け布団に包まっている岬を見て、若林は微笑んだ。強張った肩に、力が入っているのは一目で分かった。 「岬」 呼んでも返事はしないだろう。それならば。 「もう、入ってもいいですか?」 そう小声で言って布団に押し入ろうとする若林に、耐え切れなくなって岬は笑い出した。けんかをしていたことなどどこ吹く風、割り込んだ布団で隣に寝そべった若林は当然のように岬を抱き寄せる。 「気は済んだか?」 「うん」 敵わないな、と思う。そう簡単に許してくれて、そう簡単に包んでくれたら、意地を張っているのがばかばかしくなる。もっと怒っているつもりが、笑わされてしまうし。 「じゃあ、今度は俺が好きにする番な」 若林の言い草に、まだ赤くなったままの岬の目元がもう一度緩んだ。
(おわり)
拍手ありがとうございます。 たまにはけんかもしてもらおうかな、と思ったのですが、 けんかになっておりませんね・・・。
拍手お礼: さくら様。いつもありがとうございます。 某ゲーム風イラスト、お言葉に甘えてそのうち描きたいと思います。 学校は、一緒になったことないんですよ。対戦は一回きり。 その二人の見えない絆が好きでたまらないのです。
本田様。いつもありがとうございます。 こちらこそ、素敵なイラストやお心遣いにいつも癒されております。 学生生活をリアルに想像するのみならず、岬くんにセーラー服を着せてしまう若林くんの妄想力!本当にすごい漢です。 ・・・って、おかしいのは私です。失礼しました。 調子に乗って描いてしまったセーラー服ですが、そうおっしゃっていただけると・・嬉し過ぎますv
拍手のみの方もありがとうございました。励ましていただきました。
from past log<2009.3.8>
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック
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