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今日のきみとぼく
源岬への愛だけで構成されております。
憎い恋敵
※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。

「ミサキはどうしたんだ?」
不意にドイツ語で話しかけられて驚く。振り返って、納得がいった。長い髪に、整った容貌のフランス人。直接話したことはなかったが、すぐに分かった。
「エル・シド・ピエール・・・」
岬を見つけ、ライバル視している炯眼の選手だ。岬が日本に帰る時もかなり引き留めた、と聞いていた。それほど接近しているわけでもないのに、香水の匂いが分かる。
「交通事故に遭った。復帰できるかは分からない」
岬が復帰するつもりなのは分かっている。だが、入って来る情報を考えると、絶望的とも思う。少なくとも、この大会では無理だろう。岬は駆け付けたいと言っていたが、そうしなくても良いように、ゴールを守り抜くつもりでいた。
「・・・そうか」
ピエールは辛そうに顔を背けた。
「ミサキと戦いたくてここまで来たんだが・・・ムダだったようだな」
去り行く背中は淋しそうで、呼び止めずにはいられなかった。
「今回は間に合わないかも知れないが・・・あいつは絶対にここに帰って来る。少なくとも俺はそう信じている」
俺の言葉に、ピエールは深く頷いた。
「俺も信じている。待っている、と伝えてくれ」
感情を抑えた声だったが、かえって深い苦渋が伺えた。
「ああ、必ず」
ジュニアユース大会の時に、岬に親しげに近付き、レセプションでは隙あれば自分のチームにと口説こうとしていたのを、今でも覚えている。それが不愉快でミサキを連れて逃げた。俺にとって、ピエールはそういう相手だった。…それでも、この場でミサキのことを尋ねてくれたのは何故か嬉しかった。
 だから。
「Je déteste le rival de mon amour.」

去り際の呟きは聞かないふりをした。

(おわり)

拍手ありがとうございます。
どうしても、ピエールを書きたくなったので。ワールドユース大会に欠場した岬くんを案じていたピエールに、感動した印象を書きました。ピエールに岬くんのことを尋ねられた日本選手は、辛いけど感動しちゃうんじゃないかと思ったので、若林くんに対応してもらいました。現場は火花が散っていますよ。あと、フランス語デタラメなので、添削メール大歓迎です。
 あと、これ書いていて、ガラ○の仮面を思い出しました。何でだろう。

拍手お礼:
さくら様。いつもありがとうございます。
反町くんのことですから、チームメイトではなく、ファン狙いかも知れません。
でも、いつ書いても楽しい人です。

拍手のみの方もありがとうございました。励まして頂きました。

※さくら様のご指摘で、修正させて頂きました。ありがとうございました。(3/5)

from past log<2009.3.5>
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック


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