※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。 「反町、それ何だ?」 デジカメに取り付けられた小さな器具に注目が集まる度、反町は嬉しそうに返答する。 「インスタントカメラ用の2ショットレンズを改造したんだ。インカメラじゃないけど、2ショット撮れるんだぜ!」 反町の返答に、よく分からんなと首を傾げながらも、松山は興味深そうに覗き込んだ。 「よかったら貸すぜ?」 「良いよ」 言いかけた松山だったが、ちょうど通りかかった岬を見て、反町が背中を押す。 「松山、ほら」 松山が写真を撮りたい相手を岬、と決めつけて、反町は松山を促した。 それがまんざら間違いでないだけに困るのだ、と松山は複雑な顔で岬を見た。 「写真?うん、良いよ」 岬が笑顔で快諾し、写真が撮られることになった。 「だから、松山もっとくっつかないと入らないぜ」 「そうなのか?」 ・・・だから、これ愛用してるんだけど。反町の声が聞こえた気がして、松山は恐る恐る岬の肩に手をまわした。何でもない時は気にしたことがないのに。肩幅のある割に細い岬の肩を、ぎゅっと抱き締める。サラサラの髪が鼻先で揺れて、良い匂いがした。 「そうそう」 反町の合図でシャッターは切られた。 「すげえくっつかないと撮れないんだな…」 赤くなって同意を求める松山に、岬は確かに大変だったと思いながら、クスクス笑う。 「本当、くすぐったくて仕方なかったよ」 「ほら、ちゃんと撮れたじゃん」 反町が見せてくれたデジカメの画面では、仲の良さそうな二人が、笑い合っている。 「へえ・・・」 覗き込んだ松山だったが、次の瞬間、押しのけられた。 「岬、次俺な」 「ええ?」 強引に手を引っ張る若林に、岬は訳も分からぬまま立ち上がった。怪我をしているとは思えない程、力強い手。 「ああいう写真、俺とも撮ってくれよ」 既に息がかかる程くっついて、若林は微笑む。 「・・・もう仕方ないね」 連れ出してから、では同意もあったものではない。それでも岬は若林が部屋に戻り、デジカメを取り出すのをおとなしく見ていた。 「もう少しくっつけって」 岬の髪に指を絡め、肩を抱く若林に、岬は遠慮がちにくっつく。 「松山の時はあんなにくっついてたくせに」 「だって若林くん触り方がいやらしいんだもん」 困ったように声を小さくする岬に、若林は宥めるように頭を撫でた。 「そりゃこうしてくっついてたら・・・なあ」 合宿所と分かっていながらも、可愛い恋人とこんなに接近して、聖人君子でいられる訳がない。 「うん、でも・・・」 躊躇いがちに頷く岬を、若林はレンズ越しに見た。はじらいを含み、淡く染まった頬が、何とも言えず可愛い。 「それに、僕も・・・」 「ん?何だよ」 「何でもないから、そんな所触らないでよ」 けちな恋人にふくれてみせる若林に、岬はほのかに赤くなった頬を隠す。これ以上喜ばせて、暴走させる訳にはいかないから。カメラのレンズ越しに恋人を見つめ、岬は微笑んだ。
(おわり)
拍手ありがとうございます。 時間ないので、携帯更新失礼します。 反町くん→松山くん→若林くん・・・本当に自分らしいリレーな話です。
拍手お礼: さくら様。いつもありがとうございます。後でそちらに参ります。
拍手のみの方もありがとうございました。昨日今日のは私が頂いたものではないのですが・・・。
from past log<2009.3.3>
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック
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