※二次創作です。苦手な方はご注意下さい。
本日も xxx-titlesさまよりお題をお借りしています。 お題一覧はこちら 「ここ最近、元気がないんだってな」 見て来たかのように言う若林くんに、また誰かが口を滑らせたらしい、と推測する。・・・おそらくは、石崎くんに違いない。 「大丈夫。試験前だから」 言った僕に、若林くんは少し声を高くした。 「岬、本当のこと言えよ。・・・眠れないんだろ?」 そう周囲に漏らした覚えはなかった。確かに以前にもそういうことがあったものの、驚く程正確な洞察に、僕は屈せざるを得ず、仕方なく認めた。 「うん・・・時々」 何がある訳ではない。ただ、色々考える内に、眠れなくなるのは確かだった。 「怖いなら一緒に寝てやるぜ」 「違うってば。・・・怖いんじゃないよ」 即座に否定した。怖い、よりも不安で、息苦しい。思わず、ため息をついてしまっていた。 「・・・岬、もう寝るとこなんだろ?」 「うん。明日も朝練だから」 「じゃあ、電話持ったまま横になって」 電話の向こうの若林くんの声は明るくて、楽しいことを考えている時の様子で、その声を聞いているだけで、僕の心は弾むようだった。僕は、言われるままに布団に入った。 「寝たよ」 「目つぶれよ、これからキスするから」 ちゅっ。キスの音は海の向こうから。こんな小さな機械から聞こえる君の声は、僕をいつも簡単に幸せにしてくれる。 「眠れそうか?話しようか?」 「ううん、良いよ」 こうしていると、まるで添い寝してもらっている気になる。一緒にいる時間なんて限られていて、もったいないのに、いつもすぐに眠くなって、隣で丸まっていると、決まって頭を撫でてくれた。 そんなことで幸せに思う自分が甘えん坊に思えて、恥ずかしかったことがある。それなのに、若林くんは髪にキスしながら囁く。 「もっと甘えてくれたら良いのに。そしたら、俺を必要としてくれてるって思えるのに」 まるで、その思惑のまま。君の声だけで僕は安心してしまう。悔しいから絶対に言わないし、認めないけれど、今日だけは許してね。 「じゃあ、おやすみ」 一緒に寝てくれていた携帯を枕元に戻しながら、僕は目を閉じた。
(おわり)
若林くんはすごく寝付き良さそうです。岬くんも普段は良さそうですが、一度はまるとなかなか寝付けなさそうかな、と。
from past log<2009.3.1>
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック
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