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今日のきみとぼく
源岬への愛だけで構成されております。
愛の拷問
※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。
Happy St.Valentine's day!
・・・日常生活で言ったことはありませんが、
そんな気分で書きました。

 人気者にプレゼントはつきもの。まして人気選手の一堂に会する合宿所のバレンタインデーともなれば、ファンが黙っていない。しかも、土曜日。そこで、大事をとって休暇日となったが、それが口実なのは言うまでもない。
「じゃあ、お先に?」
前日の夜に迎えに来た彼女の車の助手席に乗り、最初に退場したのは三杉だった。
「あの野郎・・・」
周囲が悔しさにじだんだ踏む中、次にタクシーを呼んでいたのが、キャプテン松山だった時にはさすがにチームの和にヒビが入る音がした。

 その時点で、3Mの残りの一人岬は抜け駆けしそうな雰囲気もなく、のんびり構えていたのだ。しかし、彼の恋人はイベント大好き人間、というよりは、少しの触れ合う機会も見逃さない、という方が正しい。
「岬、これから出られるか?」
などと、隣の部屋からメールを寄越して来るに至っては、当の岬から見ても、困りものである。
「大丈夫」
メールを打った岬は、同室の石崎に声をかける。
「石崎くん。僕仙台まで行くから、後よろしく」
仙台、に岬の実母がいることは例の事件以来皆が知っている。
「ああ、気をつけてな」
振り返った岬が、ファンに向けるような笑顔だったのを石崎が気にしている内に、岬は合宿所を抜け出し、一足先に出ていた若林の車に乗り込んだ。レンタカーを前もって合宿所に届けさせる、用意周到ぶりに、岬は苦笑しながら助手席に座った。
「今日の内に仙台に行って、明日の朝から観光、最後にあっちな」
「うん。その方が助かる」
スケジュールまでバッチリの念の入りように、毎度のことながら、頭が下がる。

「それにしても、バレンタイン休暇、とはな」
「でも仕方ないよ。毎年すごいから」
合宿所に押しかける女性の群れを想像して、若林は苦笑した。それでも留守番を引き受けた反町と早田はさすがに強者である。
「まあ、何にせよ、岬と一緒にいられるのは嬉しいけどな」

 ホテルに到着したのは、日の変わる少し前だった。合宿所で食事を済ませて来ており、後は寝るだけとなっていたが、若林がそれで納得する訳もない。
「岬、風呂入ろうぜ」
嬉々としてバスタブに湯を張りに行く若林に、岬は観念してテレビを付ける。日付が変わってすぐのニュースを見ると、さすがにチョコレートの話題が混じっている。
 毎年、チョコレートをねだられるのを、女の子ではないから、と拒否し続けている。今年は何も言われなかったので、さすがに諦めてくれたかな、と思っていた。その認識が甘いことを岬はすぐに思い知るのだが。

「岬」
手を引かれて、風呂に連れて行かれた。仕方なく脱衣を済ませて浴室に入ると、鼻孔をくすぐるどころか充満している甘い香りに、岬は目を見開く。
「何、これ?まさか、本物じゃないよね?」
「ああ、入浴剤だ」
白い湯からは、ホワイトチョコレートの香りがしている。
「岬はチョコレートくれないだろ?だから」
だからといって、チョコレート風呂はないだろう。浸かっているだけで脳まで達しそうな甘い香りに、岬は狼狽する。
「だからって」
「一緒に溶け合えたら良いのに、っていつも思うんだぜ」
白い湯の中、甘い愛撫にすっかり蕩かされた岬に、若林は囁いた。

(おわり)

秘密兵器、チョコレート入浴剤です。実在します。甘いの香りだけですみません。
でも、めちゃくちゃ甘いと思いますよ。ハッピーバレンタインv

(おまけ)
「若林くん」
お風呂から上がった岬が泣きそうな声を出す。
「匂い、取れないんだけど。これで合宿所帰るのまずくない?」
「じゃあ、これ。岬に付けてもらおうと思って、香水」
いつもはプレゼントを拒む岬が、すぐに受け取ったのも、バレンタインのおかげである。
(おわり)

M☆様。香りだけはすごく甘ったるいんですが、いけませんか?

from past log<2009.2.14>
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック


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