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今日のきみとぼく
源岬への愛だけで構成されております。
お題:こんなにお前のこと好きなの、俺くらいだ
※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。

本日も xxx-titlesさまよりお題をお借りしています。 お題一覧はこちら

 岬が食堂に入って来る。松山が立ち上がって、手招きをする。にっこり笑って岬がそっちに行くと、三杉がこちらもにこやかに椅子を引く。それから、談笑する3人に、新田がお茶を運んで来る。

 ・・・毎食の度に、俺が耐えている風景だ。実際、三杉などはわざと、だと疑っている。岬は見た目はあの通り、だが、別に女の子じゃないんだからエスコートは要らない、と俺にまで言う。三杉にも言っていない訳はないのに、当たり前のように3人でつるんでいる。
 かと言って、前のように手招きしても、岬は恥ずかしがって、こっちには来てくれまい。ワールドユースの時には、翼と同じテーブルに座って、翼に手を振らせたら、そのまま翼の横に座ってしまうし・・・たまには一緒に食事をしてくれても良いのに。
 今回の合宿なんかはマシな方だ。翼がいれば、ポジション上、岬と行動を共にすることが多いだけでなく、翼がやたらと岬にくっつくのも我慢している。また、日向がいれば、岬の「小次郎」を聞く羽目になる。俺だってもっとスマートな名前だったら、呼び捨てにされてやるのに。
 それだけに、今度の合宿ではもっと近くにいられると思い込んでいた。実際は、岬が人一倍恥ずかしがりだということを再認識しただけだった。
 時々、ミーティングやらで、遅くなることがある。そういう時は、こっちが言わなくても、隣に座って食事をする。岬は何でも美味しそうにきれいに食べるので、合宿所の食事ですら、本当に美味しく思えてしまう。それなのに。
「ご馳走様」
「あれ、若林、もう良いのか?」
「ああ」
夕飯を食べ終わったと同時に、さっさと立ち上がった。岬は一瞬こちらを見て、目が合ったのに気付かない振りをして、また松山と話し始めた。

 別に、始終構って欲しい訳じゃない。ただ、他の奴と仲良くしている姿に、耐えられないだけだ。岬は他の奴とは仲良くするくせに、俺と一緒にいるのを極端に恥ずかしがる。それだけ意識してくれるのは嬉しいが、時々夜中にデートするくらいでは、やっぱり寂しい。

 ゴールポストに寄りかかって、考えていると、宿舎の方から、誰か走ってくるのが見えた。
「若林くん」
岬はかなり急いで来たらしい。華奢な割りに、スタミナのある岬が息を切らしているのは珍しいことだ。
「どうしたんだ、岬?」
「若林くんこそ、どうしたの?おかわりもしないなんて」
それで必死に追いかけてきてくれたらしい。さりげなく目を逸らせたくせして、しっかり見ている辺りが、岬だ。
「もしかして機嫌悪い?」
「ああ」
俺の背中にまわった岬に、わざと大きな声で言った。もう、機嫌が悪いはずはない。岬が気に留めてくれているのは分かっているのだから。ただ、もう少し岬に構ってほしい。
「若林くん、もしかして、僕が一緒にご飯食べないの怒ってる?」
岬は悪戯っぽく微笑むと俺を見た。
「ああ。お前が他の奴と仲良くするのを、黙って見ているしかないのがいやなだけだ」
言い始めたらキリがない。一言にまとめた俺を、岬はじっと見つめた。
「・・・そっか。若林くんは他の人とご飯食べるの嫌い?」
「いいや、嫌いじゃない」
ポジションで固まって食事をしながら、練習メニューについて話すのは楽しい。練習中でない分、リラックスしているのか、思ってもない意見が出てきたりする。
「僕もそうだよ。せっかくみんなといるんだもん。でもね」
岬に引っ張られて、後ろを向いた。宿舎の明かりは俺の影に隠れる岬には届かない。岬は俺を見上げて、微笑んでいた。
「他の誰か、に優しくしてもらって、嬉しくない訳はないけど、君じゃないから、やっぱり寂しいんだよ」
ぽつり、ぽつり、と呟くように言う岬を抱き締める。
「当たり前だ。こんなにお前のこと好きなの、俺くらいだからな」
そうじゃないことも知っている。この華奢で可愛い岬を自分のものにできるなら、と思う奴は多い。それでも、俺が一番好きだと思う。
「うん、分かってる」
岬は素直に頷くと、優しく俺の首に手をまわした。
「君以外に好かれても意味がないもの」
暗くて、顔もほとんど見えないのに、岬の満開の微笑が見えた気がした。

(おわり)

拍手ありがとうございます。
今朝は松岬な夢で起きました。しかもけっこう鮮明に覚えているので、以前の傑作健岬や大傑作源岬とは違い、(両方、目が覚めたら忘れた・・・)ちゃんと書けそうですよ。・・・書いても仕方ないんですけど。

拍手お礼:
さくら様。いつもありがとうございます。
総受。「可愛くて、みんなから愛される○○くん」って感じですね。岬くんは昔から多かったです。まあ、原作でああなので、不思議はないのですが。私は、実際に岬くん総受、よりは、「他の人と普通に仲良くしている岬くんにヤキモキしている若林くん」が好きです。そして、嫉妬の鬼と化した若林くんが自分の宣言をしたり、部屋に連れ込もうとして岬くんに怒られながらも、後で慰めてもらう、というのが本当に好きです。
と思って、実際に書いてみました。このシチュエーションの二人は本当に可愛いんです。(いや、私は書き切れとりませんが)そして、このお題。ふふ、使いたくなるでしょう?
毎日、こんな風に話を作っている、綱渡りの真です。あとは、拍手にて。

拍手のみの方もありがとうございました。

予告:バレンタイン当日、1日限定拍手やります。土曜日なので、土曜企画やって、更新して、拍手。死にそう。でも、やります。

from past log<2009.2.12>
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック


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