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今日のきみとぼく
源岬への愛だけで構成されております。
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ハロウィンパレード
女性向け二次創作です。苦手な方は、ご注意下さい。


「俺達の子どもの頃は、ハロウィンなんてなかったよな」
「何だよ石崎、菓子もらえんのが、そんなにうらやましいのかよ」
いつもの調子の石崎くんと浦辺くんのやり取りが、小学生のざわめきに混じって聞こえて来る。
 今日は南葛SCがハロウィンパレードをするとかで、OBの僕達が運営の手伝いに駆り出されている。特に浦辺くん元大友中メンバーは、城山監督と交流があったらしく、その関係で、南葛高メンバーは一番に呼ばれた。仮装して、お店を回る小学生たちを誘導したり、見守るのが僕たちの役目だ。監督からは僕たちも仮装しても良いと言われていたが、僕は断った。
「岬は今回は若林やらないのかよ?」
チームメイト達の微笑ましいやり取りを黙って見守っていただけなのに、石崎くんから不意に流れ弾が飛んで来た。まあ、こう言われるのは想定内だけど。
「若林くんに悪いから、遠慮しておくよ」
隣で話している修哲のみんなを視野に入れながら答える。…この中に裏切り者がいるのは分かっているんだ。
 きっかけは、先月の文化祭の後夜祭。サッカー部で仮装して行進することになった僕は、若林くんの置いていったユニフォームで、若林くんに仮装した。その動画を、よりによって若林くんに送った人がいる。
 
「見たぜ?」
「何が?」
若林くんからの電話に、すぐには何のことか分からなかった。若林くんは何だか嬉しそうな口調で、僕はつい警戒する。
「俺の真似した岬」
絶句した僕に、若林くんは更に楽しそうに言葉を接いだ。
「帽子で顔が見えにくいのは残念だけど、似合ってたぜ」
一番見られたくない相手に見られたショックで、なかなか言葉が出てこない。その間に、若林くんは話を続けている。
「あの手袋を付け直す辺りは、結構似てたしな。俺のことを見てくれてたんだなって嬉しかったぜ」
…動画か!!若林くんの言葉から、見られたのは動画らしいと気付いた。確かに、手袋を直す仕草は、若林くんを意識してたけど。他にも、歩き方なんかは少し真似ていたつもりだ。
「俺も見たかったぜ」
…言うと思った。

 若林くんが喜んでくれたのは、嬉しかった。若林くんの温もりを感じながら仮装したことは、恥ずかしくて言えそうにないけれど。

「…今度は10番で行こうかな」
それなら送られても良いからね。
 そう思ったのに、こちらを向いた石崎くんの目は期待に満ちていて、僕は不用意な発言をしてしまったのだと悟った。

(おわり)

拍手ありがとうございます。
今日、職場のハロウィンイベントで消耗して、ハロウィン話を書くのを忘れていました。30分で書いたので、少しだけ加筆しました。
以前の後夜祭の設定を使っています。まだGC月間なので、それも含めて。
岬くんが翼くんの仮装をするとなると、全国から見に来そうです。もちろん若林くんも。翼くんも見たそうですけど。
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