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1枚の写真
※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。
「…高杉はどう思う?」
潜めた声音同様、探り探りな井沢の問いかけだったが、高杉は深く頷いた。
「実は俺もそう思ってた」
授業が終わって、サッカー部に向かおうとしていた井沢は、同じクラスの高杉の顔を見て、ふと授業中に思いついたことについて話したくなったのだった。そして、屋上に向かう階段の踊り場を密談の場所に選んだ。
議題は「若林さんについて」。
彼らの同輩にして、リーダーである若林は、同い年ではあっても、尊崇の対象だった。名家に育ち、文武両道、サッカーでは全国一のキーパーと名高い若林に対して、常に敬語を使う彼らを嘲笑する向きもあったが、彼らにしてみれば当然のことであり、恥じることはなかった。
その若林がもうすぐドイツに行ってしまうと聞いていた。その準備のために学校を休みがちの若林に対して、井沢は一つ気になることがあった。
時は、夏の全国大会に遡る。
去年全国制覇を果たした修哲小だが、今年は南葛市の選抜チームである南葛SCのメンバーとして、大会に参加した。その中にあって、最初キャプテンを務めていた若林は怪我のために離脱、南葛小の大空翼がキャプテン代行となった。若林は明和FCの日向小次郎に対する借りを返すため、決勝戦にのみ出場し、チームは見事に優勝した。
その時、若林は足の怪我を押して最後まで出場した。その上、試合後には同じく怪我をした岬に肩を貸して支え続けた。
若林とは長い付き合いだが、和やかに岬と笑い合っている姿に、井沢は衝撃を受けたのだった。若林を尊敬していても、親しみやすいと思ったことはない。むしろ、仲間には優しくても取っつきにくいところは孤高の若林らしくてかっこいいと思っていた程だ。それが、代わろうかと申し出た高杉の言葉も退けて、しばらく岬を支えていた若林に、内心驚いていたのだった。
「若林さんは、岬が好きだったんだろうか…高杉はどう思う?」
井沢の言葉に、高杉は深く頷く。
「実は、俺もそう思ってた」
岬はこの春に突然転校してきた転校生だ。しかも、修哲小ではなく南葛小に。対抗戦の日に突然現れて、翼とコンビプレーをして、対抗戦の引き分けに貢献をした。そのまま南葛SCにも加入して優勝に尽力した後、また転校で南葛を去って行った。
「決勝戦の後、若林さんはずっと岬といたよな」
「ああ。岬と肩組んで歩き回ってたな」
しっかり肩を組むため、岬の腰に手を回していたことも二人の記憶に残っている。若林が時々岬の方を見ていたことも。
「俺もだけど、来生も手を貸すって言って断られてたよな」
「日向まで名乗り出てたよな。それも断られてたけど」
若林と岬では身長差がある。それを踏まえての来生の声かけだったが、断られてしまった。日向など「若林、お前も怪我してるだろうが」
と岬に手を伸ばしたが、
「これ位は大丈夫だ」と若林が言い張った。今まで若林を見てきた二人としては、考えられない珍事と言えた。
「それもだけど、何より帰りの電車だな」
「ああ」
井沢はそこで無意識にまた声のボリュームを落とした。
帰りの新幹線、翼がチームと別に動いたため、若林は空いていた席に座った。
「翼の席が空いていたな」と言って、岬の横にさっさと座った若林に、岬が何も言わなかったため、そのままになったのだ。
その前の席に座っていた井沢と高杉には、二人の会話が少しだけ聞こえた。親しげに話す二人に、「若林さんと二人だったら、緊張しそうだな」と言い合っていたのだった。岬は全く緊張する様子はなく、しばらく話していたが、やがて静かになった。
前に座った滝と来生からおやつを回された井沢は、当然若林に献上しようとして後ろに行き、そして若林の肩にもたれて寝息を立てている岬を発見したのだった。
「疲れてたんだろうな、岬」
少しも気にする様子もなく、若林は肩にもたれて眠る岬を見ていた。その眼差しは穏やかで、井沢の知らないものだった。井沢は席に戻るとすぐに高杉に情報共有、二人で後ろを振り返った結果、岬の寝顔を眺める若林を見てしまったのだった。
「とどめに、あの寄せ書きだよな」
「そうだ。俺達には何も話してくれなかったのにな」
岬が引っ越す際に、南葛小の仲間とSCメンバーから、サッカーボールに寄せ書きをして、餞別にした。若林が寄せ書きに書いたのは「おれも旅立つ」という言葉で、その時は誰も意味が分からなかった。分かったのは、その後で若林が翼にドイツ行きを告げた時だった。
旅立つことを書くことに決め、おれも、という言葉を選んだ若林が、岬にシンパシーを感じていることは、二人にも容易に想像できた。
情報交換するうちに、結論は一つの方向に集約しつつあった。だが、それは何故か納得がいった。
「岬だもんな」
「そうだよな…」
二人は何となく頷き合った。あの若林が恋に落ちたとして、岬なら仕方がないと思うところがあるからだ。
「サッカー上手いもんな」
「性格も良いし」
南葛市でサッカーで翼と渡り合える同い年は、若林を除くと岬しかいなかった。サッカーが上手いだけでなく、岬はだれにでも優しくて、パスひとつとっても、心のこもった優しいパスを出すような性格だ。我の強い者の多い選抜チームで戦い抜けたのは、岬のフォローもあってのことだった。
「それに、可愛い」
高杉の言葉に、井沢はつい笑ってしまった。岬の父はみんな知っているが、あまり岬と似ていない。何なら高杉の方が似ている程だ。岬の母の顔は誰も知らないが、岬が母親似なのは間違いない。色白で中性的に整った顔立ちの岬は、そう目立つ訳でもないが、気がつくとずっと見ていたくなるようないわゆる美少年だ。まだ声変わりしていない高い声に、サラサラの髪が岬の繊細な風貌を更に際立たせていた。
「とりあえず、試してみようぜ」
井沢はそう言うと、リュックから写真を取り出した。井沢の横を走り抜けていくのは岬で、そちらにピントが合ってしまっている。
「この写真を使ってみる」
二人は、修哲カルテット会議を早々に切り上げると、若林の家に向かった。同じクラスであるため、ノートやプリントを届ける用事もあった。
「若林さん、プリント届けに来ました」
「おう、悪かったな」
居間に通された二人は、プリントとノートをテーブルに広げておいた。それに半分隠れるように写真を置く。
若林はプリントを受け取り、ふと写真の方に目を向けた。一瞬目を見開いた若林に、井沢は大きな目を、高杉は細い目を見開いて表情を観察したが、若林は何もなかったかのように、次のプリントに視線を移した。
「今週の予定…そうか、運動会が近いんだな」
「はい。それで持ち物は…」
「これで全部か?」
「はい」
プリントを受け取った後、ノートのコピーに目を通して、といつも通りに振る舞う若林に、井沢は訝しがりながらも、ノート類を片付けようとして、写真がないことに気付いた。若林は平然としているし、高杉に目配せしたものの、高杉も驚いており、今知った風である。疑わしいを通り越して、容疑者は若林しかいない状況ではあるが、まさか若林にまとめたプリントを見せてくれとは言えず、井沢は不承不承若林の家を後にした。
井沢と高杉が帰った後、若林は挙動不審な二人の様子を思い出し、くすりと笑った。わざと見えるように写真が置かれていたので、話をそらした隙に抜き取ったのだが、若林の顔ばかり覗き込んでいた二人は気づかなかったらしい。
若林はそれから写真を手に取った。決勝戦に観戦に来ていた保護者の中に、井沢の母親もいたらしく、息子を撮影しようとして失敗したのだろう写真は、その前を横切った岬に焦点が合っている。そして、岬の写真としてはよく撮れているといえる。
岬の写真をただくれた訳ではないと、若林も分かっている。その意図を推測するなら、若林が岬を気にしていることが、気になって試してみた、程度のことだろう。
「相手にされなかったんだけどな、俺は」
告白さえもするりとかわされた。見慣れた笑顔でそらされてしまったと若林は自嘲する。
それなのに、諦め切れずに、抜き取ってしまった写真。決勝戦の時の岬は凛々しくて悲壮で、愛しくて苛立って、心を揺さぶられた。遠くから何度もなぞった姿を思い出しながら、若林はその写真を写真立てに入れた。
(終わり)
拍手ありがとうございます。
暴走話を書きたい欲求が止まらず、こんな話を書いてしまいました。
昭和時代には、写真を撮ったらとりあえずフィルムのまま現像に出していたことを思い出しました。
結構、この手の撮りそこない写真が混じっていたり。
以下、コメントお礼
くるみ様、いつもコメントありがとうございます。
暴走、楽しんでいただけて良かったです。
日向くんが出てくると、同時にいけずな岬くんになってしまいます。
それも一つの特別扱いということで。
拍手のみの方もありがとうございます。励みになります。
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[2018/10/19 23:09]
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