※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。 僕は若林くんの部屋を掃除していた。フランスから遊びに来たものの、若林くんはまだ練習中のはずだった。外で待たないで済むように、と前にもらっていた合い鍵で中に入って、僕は若林くんが戻るまでに部屋をきれいにするつもりだった。 それで、部屋に掃除機をかけていた時、机からノートが落ちた。拾おうとした時に、岬、の文字が目に留まる。どうやら、日記らしいと思った。
いけないことだと、知っているけれど。
ほんの少しだけ、このページだけ。元に戻す時に、少しだけ見た。 「今日は岬が遠いフランスからわざわざ会いに来てくれた。あんな遠い国から会いに来てくれるなんて、あいつも俺のことが好きなんだろうか?」 それから後は、とても見られそうになかった。元のようにノートを置くと、顔を赤くしたまま、掃除機をかける。
どうしよう。僕は、きっと。女の子ではないから、占いもしないし、星に祈ったりもしない。それでも、彼が同じ気持ちだったら、どんなに嬉しいだろう、なんて考えると、それだけで幸せでたまらなくなるのに。きっと。
きっと、若林くんの顔をまともに見られない。
日記の続きを見ることもできずに、僕は掃除を続けた。ご飯も作った。まるで奥さんだと思ったせいで、また顔が赤くなってくる。
落とした時に、もう一ページだけ見えてしまった。前に、僕が帰った日付のページに一言。 「今日は岬の夢を見た。あいつも俺の夢を見たりしているだろうか」 ・・・見たよ。君の夢を。
そんな風に、言葉にしてしまえる若林くんはすごいと思った。言葉にならない想いを、自覚して僕は立ちすくむだけなのに。
若林くんが帰ってきたら、この想いは形になるんだろうか。
(おわり)
昨日の「ファーストネーム」と同じ頃の雰囲気で書きました。 書いている人間すら気恥ずかしい。
from past log<2009.1.23>
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック
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