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今日のきみとぼく
源岬への愛だけで構成されております。
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あわれな恋心
※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。
診断メーカーの
「愛してると伝えたら」
をまた試してみました。
--------------
【源岬の場合】
愛してると伝えたら相手は優しい声でありがとうと言った。でも、それだけだった。きっとそれが答えなんだろう。あわれで可哀想な恋心だなあとぼんやり思った。
https://shindanmaker.com/585979
--------------
岬は春の終わり頃に、南葛の町にやって来た。おとなしそうな外見に似合わず、サッカーがうまくて、気になる存在だった。
同じチームになってからは、時々話すようになった。その度に岬の賢さに驚いた。岬はしっかりしているが、前に出過ぎることもなく、優しくて大人びていて、良い奴だと思った。色々なところに行っていただけあって、岬と話すのはいつも新鮮で、楽しかった。
岬が転校すると知ったのは、準決勝の後だった。チームに合流した途端に井沢達からその話を聞かされ、不覚にも動揺した。井沢達は俺の反応には気付かず、そのまま続ける。
「それで、絶対優勝して別れようってことになったんです」
優勝して、笑顔で岬を見送りたい、その気持ちは分かるのに、岬が転校してしまうということに頭がついていかなかった。
今までいなくなる友達なんていなかったし、特に岬とは仲良くなれそうな気がしていた。翼がブラジルに行くというのは、翼らしいな、と思えても、岬がいなくなるのは何故か淋しかった。
「岬はどこにいる?」
岬は、翼とベランダで話していた。ベランダからは南葛とは全く違う夜景が見える。
「岬、ちょっと良いか?」
「若林くん、どうしたの?」
答えたのは、岬ではなく翼の方だった。
「岬が転校するって聞いてな」
「うん、そうなんだ…」
ベランダから出て、部屋に戻って来た岬を手招きした。そのまま部屋を出ると、廊下の突き当たりの非常階段まで歩いた。岬はちゃんとついて来てくれて、俺が立ち止まって振り返ると、岬も足を止めた。
「若林くん、何だった?」
用事は分かっているから聞く、と岬の表情は物語っていた。確かに、それはそうなんだが。
「今日の試合は良かったぜ。岬が頑張ってくれて、助かった」
「当然だよ。僕だって、どうしても勝ちたかったから。みんなとお別れするには、まだ早いもの」
静かに微笑む岬の顔は、蛍光灯の光が弱いせいか、今にも消えてしまいそうに見えた。そう思った途端にたまらなくなって、俺は岬の手を取った。
「岬、明日は絶対勝とうぜ」
「うん。絶対勝とうね。翼くんをブラジルに送り出そう」
自分の転校を控えているのに、こんな時でも翼を優先する岬の笑顔は眩しく見えた。目の中に、何かキラキラしたものが入ったようで、俺は岬の顔がまともに見られなかった。
「俺、お前のことが好きだ」
そう告げた俺に、岬は大きな目を瞬きさせた。
それからいつものように優しく笑うと「ありがとう」と言った。それはいつもの通りきれいな透き通るような声で、俺は逆に終わった、と思った。
岬の声には現実感はなかった。驚いたそぶりも嬉しそうでも怒ってもなくて、ありがとうという言葉を発した。それだけだった。
「すまないな、言いたかっただけなんだ」
「若林くん…」
それ以上は耐えられなかった。薄暗い廊下なのに、岬の顔にだけ光が射している気がして、まともに見ていられなかった。目を逸らしたまま立ち上がり、そのまま立ち去った。
決勝戦の朝、顔を合わせた岬は全くいつも通りだった。
俺は好きだとしか言わなかった。聡いくせに、どこかふわふわした岬のこと、あれが恋の告白だと思わなかったに違いない。
それで良いと思った。俺達には優勝という目標があって、集中力を切らさず、一心にその目標に向かうしかない。
そう思っていたのに、気付けば岬のことを考えていた。怪我をして辛いのに、必死で戦う姿に、胸が熱くなる。岬のサッカーが好きで、好きになるべくして好きになったのだと再認識した。
試合の終わった瞬間は、まるで時間が止まったように思えた。倒れている岬のところに駆け寄り、抱き起こす。岬にこんなに触れるのは初めてだと思った。
「若林くんも足痛めてるのに…」
「お前位は軽いもんだ」
岬の身体に腕をまわして支えた。思っていたよりも更に細くて、こんな小さな身体で、戦っていたのかと改めて感動した。
「若林くん、僕を信じてくれてありがとう」
優しい声で囁かれて、当たり前だ、と思った。翼や岬と会って、仲間を信じることを教えられた。まして、岬は優しい顔をしていても、強い心を持っていて、折れないしなやかさがあることを、俺は誰よりも知っている。
「こちらこそ、ありがとうな」
岬の一言で、あわれな恋心が報われたような気がして、暖かいものが胸に満ちた。きっと、それで良いのだと思った。
三年後、俺はハンブルクにいた。岬が転校して間もない頃に、見上さんに連れられて、ドイツに渡ったのだった。
南葛にいる間は、岬のことをよく思い出した。誰よりも付き合いが短いくせに、誰よりも気になる存在だった。経験が増えた今考えても、あれは恋心だったのだと思う。
岬のことを思い出すのは久しぶりだった。不思議なこともあるものだと思いながら走っていて、木陰に立つ人影に気付いた。
「岬…」
最初は幻かと思った。岬はあまり変わっておらず、相変わらず細くて、きれいな顔をしていた。
「若林くん、久しぶり」
微笑む岬に、胸の中から何かが沸き上がるようだった。
「若林くんに聞きたかったことが二つあったんだ」
しばらく話したところで、岬は切り出した。
「何だ?」
思わず身構えた俺に、岬は身を屈めて、俺を覗き込むように見上げた。
「一つは、おれも旅立つ。寄せ書きボールに書いてくれた言葉。まあ、ここで若林くんに会って、全部分かったけど」
笑う岬のしぐさも可愛かったが、そんなことを覚えていてくれたのが嬉しくて、幸せな気分になった。
「もう一つは何だ?」
つい聞いた俺に、岬はゆっくりとまぶたを上下させた。長い睫毛が揺れて、開かれた岬の目は、思っていたよりも淡い色だった。
ふっくらしていた頬は少しすっきりしていたが、相変わらず触り心地が良さそうだ。近付くと良い匂いがするのは変わらない。
「若林くん、前に好きだって言ってくれたよね」
岬につい見とれていて、その言葉の意味が分かってから焦った。岬は柔らかく微笑んでいて、無遠慮に見ていた俺を咎める様子はなかった。
「ああ。今もそれは変わらない」
たった一言なのに、昔よりも緊張する。よく告白したな、と俺は昔の自分の勇気に感服する。
「そう…それなら嬉しい」
岬の真っ白な頬がほんの僅かに色づく。その淡い朱に気付いた瞬間、俺は岬の手を握りしめていた。
「その…あの時は気づかなかったけど、もしかしたらそうかもと思って、返事に来たんだ」
胸の中に、忘れたはずの恋心が蘇る。止まったままの時が動き出す。あわれで可哀相だと思っていたのが嘘のように、岬の手の温もりにみるみる花を咲かせた。
(おわり)
拍手ありがとうございます。
少し前に書いたのですが、昨日の「1枚の写真」と微妙にリンクしているので、このタイミングで更新しました。
…というか、同じような話を書き過ぎなのは分かっています。
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[2018/10/20 22:00]
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