※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。 「ゲンゾー」 微妙な発音で呼ばれた相手を、岬は大きな目を見開いた後、くすくす笑いの餌食にした。 「何笑ってるんだ」 少なからず、不愉快そうな若林に、岬は弁明する。 「だって、まさかファーストネームで呼ばれてるとは思わなくて」 「岬、理由を話してやるけど・・・笑うなよ?」 若林はそう言って、声を落とす。
何度目かの西ドイツ。昔のチームメイトをそれも何度も訪れるなど、岬らしくないふるまいではあるが、それくらい感傷にふけりたくもなる。あんなに愛したチームすら、離れなければならない運命。その最愛のチームを同じく離れた若林に会いに来たのは、感傷か嘲笑か。そう思っていた岬だったが、あまりに自分を歓迎してくれる若林に、本当は会いたくて来たのだと、最近は認めざるを得なくなっている。 「あいつらにワカバヤシって言われるとな、バカバヤシって聞こえるんだよ」 「ふっふふ」 おかしくて、こらえきれなくなった岬が笑う姿を、若林はじっと見つめた。 初めて会った頃は、何だか気になる相手でしかなかった。小さな身体に秘められた闘志を見せつけられた試合の後、笑顔を向けられた瞬間、何かが変わった。無邪気に笑う岬を見ていると、心のどこかがくすぐったくて仕方がなかった。それは、単に見慣れない可愛いものを見たから、だと思っていた。 岬が西ドイツに会いに来るようになってから、その形のないものが、少しずつ分かって来たような気がする。 「でも、ゲンゾー、だよ?」 からかうように言う岬に、若林は笑う振りをして、顔を向き合わせる。 「お前が呼んでくれるのは、ちょっと良いな」 「え?」 聞き返す岬に、若林は微笑む。そんな未来が、いつかくるような気がした。
(おわり)
拍手ありがとうございます。 今日は一本だけの予定だったのですが、若林くん話を追加しました。
拍手お礼: さくら様。いつもありがとうございます。 ちょっと、筆がすべりすぎました。自分でも、ああなるとは。すみません。 あとは、拍手にて。
青香様。早速すごく濃密な感想をありがとうございます。 あんなんですが、本当に良かったですか? ストライクで、エコーかかった、とのもったいない言葉をありがとうございます。 石崎は意外でしたか?一番に決めていたのですが。 だって、鏡からあの顔出ているのを想像したら・・・。 王子対決は一番の見せ場です。あれははずせなかったんですよ。 喜んでいただけたようで、安心いたしました。
本田様。いつもありがとうございます。 お礼が届けば、と思っていたのですが、メッセージまで。 萌え絵ありがとうございました。こちらも受け取らせていただきました。 夜中にまた喜び過ぎてしまいましたよ。あんなに優しそうな若林先生と岬くん。 コラボも喜んで頂けて嬉しいです。私は元は書きましたが、素敵にして下さったのは星夢様です。コラボ自体が嬉しかったのに、誉めて頂けるなんて。 若林くん目覚ましはメッセージがなかなか思いつかずに苦労しましたので、 尊敬する本田様に欲しい、と言って頂けるとは本当に嬉しいです。 こちらこそ、ありがとうございました。これからもよろしくお願いします。
拍手のみの方もありがとうございました。今日も励まして頂きました。
from past log<2009.1.21>
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック
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