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今日のきみとぼく
源岬への愛だけで構成されております。
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夏のベンチ
※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。


 訪ねて来た岬を見て、そう言えばこいつは男だった、と気付いた。小学生時代の小柄なイメージが強くて、そういう観点はなかった。
 そして、驚いてもいた。整った顔立ちがあまり変わっていないせいか、少し大人びてはいるが、一目で岬だと分かったし、その上で目を奪われた。
 隣に座った岬は、しなやかに背を伸ばしている。背は伸びたが、手足がほっそりしていて、同じ男には見えない。気がつけばつい見入ってしまっている。
「若林くんはまた大きくなったね」
岬が動いた時に、白く細い指が、俺の手に触れた。ひんやりと冷たさを感じ、思わず息を飲む。
「あ、ごめん」
弾かれたように手を引っ込めた岬に、もっと触ってくれて良いのに、と考えてから、俺も間違いに気付いた。
 いくら、きれいで可愛くて優しくて気になっても、岬は男だ。
 それなのに。
 俺は隣に座る岬を盗み見た。澄んだ眼差しでまっすぐ前を向く、どこか透明な横顔に、胸が疼いた。それは、友達に抱いてはならない感情で。
「…岬」
「ん?何?」
こちらを向いて微笑む岬に、これはまずいと思った。目が合った瞬間、鼓動が跳ね上がる。
「何でもない」
「…そう?」
何でもない訳がない。今すぐここでキスしたい、なんてことをいきなり言われたら、いくら岬でも軽蔑するかな、とか思いながら、とりあえずこの想いと向き合ってみようと思った。

(おわり)

拍手ありがとうございます。
たまには、同性だから、と葛藤する若林くんを。いつもあまりにその部分の葛藤がないので。
若林くんは自分が好きならその辺りは気にしないでしょうし。そして岬くんの気持ちもあまり疑わなさそうなので、葛藤するのはいつも岬くんなんですよね…。
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