※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。 若林くんの言葉は時々信用できない。 「もう一回だけ」 久しぶりに会ったからと言って、部屋に入って上着を脱いだ途端に、唇を奪われる。舌の柔らかいところで唇をなぞられて、少し気をゆるめてしまった僕が甘かった。 「岬の唇、気持ち良い。柔らかくて、甘くて」 そんな言葉にだまされているうちに、二回、三回と唇は重ねられる。次第に歯列を割って、舌を絡めてくる様子に、僕はさすがに憤った。若林くんに買ってきたお土産、高校の友達の写真。そんなものをカバンに詰めたまま、部屋の入り口で立ち往生は不本意だ。 「っもう、若林くんったら」 若林くんの口に手を当てて、塞ぐ。実力行使に出なければ、何ともならない。
お土産を受け取りながら、若林くんは十分不服そうだ。それでも、こうやって押しのけなければ、身動きすらままならないもの。 「それで、これ、みんなの写真。・・・折れたりしない内に渡したかったんだよ」 合宿の時に、マネージャーに頼んで写真を撮ってもらった。翼くんに送るから、と言いながら、一部多く焼き増した。 「他はないか?」 わざとらしすぎる若林くんの確認に、少しめげた。本当は、食事を作ってあげたい。他のことも手伝いたい。若林くんの要求を通してしまうと、それらは全部後回しになる。 「うん。もうないよ」 でも、何より一緒にいたいって若林くんの気持ちは嬉しい。久しぶりだからと遠慮がちに、なのにどこか余裕なく、求められる唇を合わせる。 「もう一回、良い?」 信用できない言葉は、幸せそうな笑顔と共にキスに溶けた。
(おわり)
思いついたので。 明和の話を進めるつもりが・・・病気レベルの飽き性なものですから。 反動で、すごく基本的な二人です。
from past log<2009.1.14>
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック
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