※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。 ※今日は岬くん話ですが、岬くんも若島津くんも性格が違います。(仕様です) 道場での練習と平行しているせいで、やっと明和FCの練習に参加できた若島津は、見慣れぬ顔に不審そうにした。 見知らぬ相手は、日向と親しそうに話し、パスの練習をしている。 「おう、若島津。空手の練習はもう良いのかよ」 声をかけてきた日向に駆け寄ると、若島津はにこやかに微笑む。 「そっちは誰ですか?」 短い髪に、涼やかな目元のおかげで、随分爽やかに見える若島津の笑顔。そういえば、隣のクラスの人気者がそういう名前だった、と岬は思い出す。 「こいつは同じクラスの岬。サッカー出来るから連れて来てやったんだ」 確かに若島津から見ても岬がサッカーが上手いのはよく分かった。このチームではきっちりパスを送れる者はタケシしかおらず、日向がよく吠えている。あれだけのパスを出せる選手がいれば、連れて来たくなるのは仕方ない、と若島津は思う。 「若島津?よろしく」 当然のように日向の側に立っている岬に、拭い難い不愉快を感じる。それを許す日向にも。 しかし、それを表面に出すには、若島津は余りにもおとなしかった。 「よろしく、岬くん」 手を差し出した若島津に、岬も手を伸ばす。 「小次郎、若島津のポジションは?」 「ん?ああ、キーパーだぜ」 可愛い顔立ちといい、高い声といい、女の子と見紛うような岬が日向を下の名前で呼ぶのを、若島津は信じ難い思いで聞いた。 「岬くんって、日向さんのこと、そう呼ぶんだね」 若島津の台詞に、岬は大きな目をいたずらっぽく輝かせる。 「うん、小次郎がそうしろって言うから」 闊達さを伺わせる笑顔に、若島津は少し胸の痛みを感じた。日向の一番側にいるのは自分だとばかり思っていた。 「若島津、シュート練習付き合ってくれよ」 日向とゴールに向かいざま、若島津は岬を振り返った。沢田タケシとパス練習をしながら、無邪気で不敵な微笑みを浮かべる岬は、どこか日向に似ているように見えた。
「若島津も、飲むんだよね?」 差し出された缶コーラに、若島津は首を振る。今までそんなことをしたことはなかった。それにコーラのように健康に良くないとされる飲み物を飲んだことも。 「やっぱりコーラだよな」 「えー、今日は特別だよ」 岬が買って来た1本のコーラを当然のようにやりとりする二人に、若島津は何故か声が出なくなった。 「小次郎、若島津にも分けてあげなよ」 岬がごくごく喉を鳴らす日向に声をかける。その言い方にも、二人の距離の近さを痛感して、若島津は日向の差し出す缶を受け取らなかった。
(つづく)
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拍手ありがとうございます。 明和話。思い付いたので、とりあえず続けてみることにしました。 ちゃんと続くかは不明ですが、一応翼と他のマンガのパロディの予定。 「南葛VS明和」の時、どうして岬くんは若島津くんを認識していなかったのか、は積年の疑問だったので、それを。
拍手お礼: さくら様。いつもすみません。色々ありがとうございました。拍手送りましたが、長くてすみません。
拍手のみの方もありがとうございました。励みになります。
from past log<2009.1.12>
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック
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