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今日のきみとぼく
源岬への愛だけで構成されております。
『僕の弱点イコール君』
※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。


診断メーカーのお題ひねり出してみたを試してみました。

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源岬へのお題は『僕の弱点イコール君』です。
https://shindanmaker.com/392860
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「岬って、俺のこと好き過ぎるよな」
不意に言われて、お茶のお代わりをつごうとしていた岬は動きを止めた。
「はあ??」
若林が見ているのは、二人が日本代表で出た試合の映像で、一時停止した画面で、岬はゴールのカバーに入っている。
「お前には何回助けられたか分からない」
しみじみ話す若林に、岬は黙って画面を見つめた。

 岬にも身に覚えはある。その時は無我夢中で駆けつけていても、こうして映像に残っていると、言い逃れはできない。
「ゲーム全体を見て、フォローすべき所に行くのは当然だからね」
常にフィールド全体を駆け回り、フォロー範囲が誰より広い岬である。その言葉には説得力があったが、若林は譲らない。部屋の一角に飾られた写真に視線を向ける。そこに写っているのは、南葛SCのメンバー。全国大会で優勝した時の写真だ。
「…全国大会の決勝戦、お前に助けられた時、嬉しかったんだぜ」
若林が岬に初めて助けられたのは、小学校時代の静岡予選の決勝戦だった。足の怪我が悪化した若林のフォローに岬が戻って来たのが最初だった。そして、全国大会の決勝戦でも、自分も足を怪我しながらも、ディフェンスラインを支え、日向のマンツーマンマークをこなした岬は、最後に若島津のシュートを阻止した。
「だって、若林くんは僕を信じてくれたから…」
口ごもる岬に、若林も思いをめぐらす。派手さはないが、いつも堅実で確実なプレーをする岬は、チームにとって重要な存在だった。前を走る翼や後ろに控える若林だけでなく、全体を見て動ける岬の存在は大きかった。怪我をしているのは分かっていても、転校する前にできるだけ一緒に走りたいという岬の思いを尊重したいと思った。
「実際、頼りにしてたしな」
若林から見ると、岬の考えが分かりやすいように、岬も若林の考えをよく理解していた。オーバーラップしてのシュートのコースを変えてくれたことも、咄嗟のフォローとしては見事なものだった。
「あんなに助けてもらったのは初めてだったから、愛を感じた」
そしてそれは今も続いている。ボランチやましてリベロでもない岬が、ゴールまで戻るのは、ポジション制の意味をなくすようなものだ。
「つい体が動いちゃうんだよね…」
そう呟く岬の頬が赤いのは、自分の行動を自覚しているからだろう。
 Jrユース大会でも、ワールドユース大会でも、日本の守護神若林を守る必要があるとは誰も思っていなかった。それでも、岬は常にフォローに走っていた。
「愛してるぜ、岬」
「…うるさいよ」
よほど図星だったのか、岬はソファーに座ったまま膝を抱えてしまった。茶化すつもりはなかった若林は慌てて後ろから抱きしめて、ご機嫌取りを図る。
「本当に感謝してるんだって…岬…」
恥ずかしがって、素直じゃなくても、岬はプレーで愛を語っていると若林は思う。いつでも気に留めてくれている証のようなディフェンスに、何度も危機を救われた。
「君の方が先だからね…僕を信じて励ましてくれて、本当に嬉しかったんだ」
膝を抱えた手を離し、後ろから回された若林の手を掴んで、岬はごく小さな声で呟いた。その微かな声をかき消してしまわないように心を砕き、若林は岬を抱きしめた。

(おわり)

拍手ありがとうございます。
このテーマが自分内ブームの時にこのお題。なんてタイムリー!これしか思いつきませんでした。
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