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今日のきみとぼく
源岬への愛だけで構成されております。
君が良い人過ぎなくて良かった
※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。

「…翼くんと会うと、やっぱり緊張するよ」
いつも通り柔らかい微笑みを湛えて岬は話す。きっと俺は複雑な顔をしているのだろう、宥められている気がしてならない。
「そうか?」
岬で緊張するというのなら、他の連中はどうなるのだろう。肩に力の入った様子の奴も多いように見えたが。
「良く見られたいんだよ、僕は」
ふわりと空気を動かして、岬は隣に座る。さらさら揺れる髪に、動く度に甘い香りが漂うようで、つい手を伸ばした俺に、岬は困ったように肩を竦めた。

 人目を忍ぶ仲だから、と岬はなかなか会う機会をくれない。休暇の度に、合宿所から出て、密会を重ねている。今回、翼が合流したことで、その傾向はますます強くなっている。
「今更良く見せる必要なんかないだろ」
抱き締めた腕の中、俺の首元に頭を埋めた岬に囁く。二人きりでも、こうして甘えてくるのは岬にしては珍しいことで、翼の合流した合宿で、色々感じることがあるのだろうと思う。それを追及するよりも、せっかく甘えている岬の頭を撫でたい。
「君、僕のこと甘やかして過ぎだよ」
顔を見なくても、微笑んでいることが分かるような、甘い声で岬は応える。俺が岬のことを好きなことを、岬がちゃんと分かってくれているのが嬉しい。
「そうか?岬は自分に厳しいからな。もっと甘えて良いんだぞ」
髪にキスした俺に、岬は体をよじり、くすぐったそうにふふっと笑った。
「若林くんといるのって良いね。君、僕が多少何言っても幻滅したりしないだろ?」
今日は妙に構ってくる岬に、何かあったのだという確信を強くしながら、それでも岬の頭を撫でながら、話を聞いてやる体制を整える。
「そうだな。最初にボールぶつけて来たしな。その時から好きになったんだし」
岬の頬に手をやると、岬はその俺の腕に白い腕を絡めた。黙って聞いている俺に満足しているらしい。その腕に頬を摺り寄せてから、俺を見上げた。
「ありがとう。…そういうこと。僕は優しくもなければ強くもないんだ」
そう言って微笑む様子はいつもより蠱惑的で、目を奪われる。…悔しいほどに可愛い。もちろんそれだけじゃなく、岬は本当に優しいし、強い。それでも、岬にしてみれば、きっとまだ足りないんだ。
「なあ岬、もっと幻滅するようなこと言っても良いぜ。俺なら大丈夫だって分かって貰えるんならな」
理想が高くて、意地っ張りで、可哀相な俺の恋人。俺だから側にいてやれるのだと分かっている。凛とした横顔を見せながら、目は俺を誘い、まだ甘え足りないと訴えている。
「…だから好きだよ」
そして、俺相手だから羽を休めるのも。珍しく甘えモードのようだから、とことんまで付き合ってやろうと思った。

(おわり)

拍手ありがとうございます。
岬くんも、翼くんの側にずっといるのは大変そうだな、と思ったので。
若林くんの側なら、きっと大丈夫なんだろうな、と思ったら、書いていました。
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