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今日のきみとぼく
源岬への愛だけで構成されております。
囁きは雨音に溶けて
※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。

 雨は昨夜から降り続いている。低気圧のせいで足が重いとうっかり言ったせいで、未だにベッドから出してもらえずにいる。
「重い気がするだけで、大丈夫だよ。筋トレはする気だったし」
一応、弁解はしたものの、若林くんは考えを変える気はないらしい。その強い腕で僕を包んだまま離さない。
 鍛え上げた若林くんの腕は、太いというより重くて、僕の力ではびくともしない。
「そろそろ起きない?」
今日は雨で、出かける計画は中止だけど、それならそれで予定は立てたいのに。
 何とか寝返りを打って、腕の中で見上げた僕に、若林くんもこっちを向いて目を合わせてくれた。人を腕の中に問答無用で閉じ込めた犯人は、とても静かに微笑んでいた。
 たまにしか会わないこともあるけれど、こうして見ると若林くんは男前だ。昔からはっきりした顔立ちだったけれど、大人になるにつれ、意志の強さが際立ち、男らしく整った顔は、見慣れていても照れてしまう位かっこいい。
「岬、それはダ…」
若林くんがダメだと言いかけたところで、若林くんの唇に指を当てる。驚いた表情の若林くんと目が合う。若林くんは僕を見つめ、それから一気に引き寄せると、キスをしてきた。
 昨日じっくり愛されたせいで、すぐに体は若林くんに反応してしまう。求められることを喜ぶ心に、必死で柵を立てる。巻き込まれてしまえば、ベッドから完全に離れられなくなってしまう。
「だから…」
言いかけたところで、ベッドに埋められた。僕を見下ろす若林くんは、僕の耳元に唇を寄せ、そのまま囁いた。
「今日は岬を休ませることに決めたから」
外は雨。時々激しくなる雨音は、一向に止む様子もない。若林くんの優しい声は、そんな天候の憂鬱すら気にならなくなる程、僕の心を動かしてしまう。
「…今日だけだよ」
そう宣言した僕に、若林くんは可笑しそうに笑って、休日にベッドに閉じ込められた恋人が黙り込んでしまう位のキスをくれた。

(おわり)

拍手ありがとうございます。
タイトルを思い付いたので、そのまま書きました。気圧が下がって体調が悪い時に、昔の傷は疼くという話を思い出したので。
雨音をBGMにイチャイチャしておいてほしいです。

(以下、6/19に書いています)
地震は今のところ、6/18朝に起こったものが最大で、以降は大きくても震度3程度の余震が時々起こっています。
本震はまだなんじゃないか情報が行き交っており、何だか落ち着かない状態です。
身内の法事もあって、疲れたので、昔々に作った小ネタと、予約更新の用意をしたら、寝ます。

以下、拍手お礼
6/19の夜中にコメントをいただいた方、初めまして。
ご心配いただき、ありがとうございます。
せっかく再燃して、楽しんでいただいているのに、色々ご心配をおかけして、申し訳ありません。
でも、お気遣いいただき、嬉しいです。
「まさに!」な二人が書けているかは分かりませんが、頑張りたいと思います。
これからもよろしくお願いいたします。

くるみ様、いつもコメントありがとうございます。
地震怖いですね。
普段から地震を恐れて、災害用品を集めていたら、トランク一つがいっぱいに。…持って逃げられそうにありません。
このまま大きな地震が起こらないことを祈るのみです。

拍手のみの方もありがとうございます。励みになります。
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