※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。
本日も xxx-titlesさまよりお題をお借りしています。 お題一覧はこちら オフシーズンともなれば、Jリーガーの中でも屈指の人気を誇る岬にとってはある意味出稼ぎ時。 であるが、岬は帰り着いたホテルでため息をついた。 高度に都市化の進んだ首都圏では、少しの雪でも十分交通機能はマヒしてしまう。それは今回の雪も同じであった。普段ならタクシーなど使わない岬であるが、さすがにこの雪、取材元の雑誌社が差し出してくれたタクシーチケットを受け取って、タクシーに乗ったは良いものの。動かない。仕方なく動かないタクシーから逃れ、歩いて今帰って来たところだった。
「・・・寒かった」 外ではさすがに言う気にはならなかった。熱い紅茶を入れて、凍っていた息が溶けたのと同時に、ようやく声になった感じだった。そんな昔話もあったな、と一息ついたところで、携帯電話が鳴る。 ・・・まるで、見ていたようなタイミング。 「若林くん、どうしたの?」 「岬、何がおかしいんだ?」 笑っているのが伝わるような声に、若林が少し心配そうな声を出す。 「ううん、まるで見てたみたいなタイミングだと思って」 十分前なら電話には出ない。十分後なら、入浴中。 「ばれたか」 使い古された会話なのに、そうであったら、嬉しいと思う。そんな思いを込めながら、遠い空の向こうの声を聞く。 「雪、すごいって話だったから」 ネットのニュースで「大雪、首都直撃」は毎年恒例の話題となっている。時差さえあるのに、そんなことまで気にしてくれるんだ、と岬はこみ上げてくる笑いをこらえる。 「すごいって言っても、そっちほどじゃないと思うよ」 岬の的確な反論に、若林はしばし沈黙した。ドイツに来る度に寒いと口にする岬が言うのだから間違いない。それでも、岬は会いに来るのだけれど。 「うそ。気持ちは嬉しいよ。ありがとう」 くすくす笑いながら、岬は電話口でふくれているであろう恋人に打ち明ける。 「でも、本当に寒いんだよ。そっちで寒いって言ってたのが嘘みたい」 かく言う岬は、紅茶を片手にくつろいではいるものの、まだ上着すら脱いでいない。徐々に解凍されつつはあるものの、まだ冷えが残っているようで、バスタブに湯が満ちるのが待ち遠しい。 「それは俺の側にいないからだろ。・・・こっちに来いって言ったのに」 何の根拠もない若林の言葉に、岬は苦笑した。その自信は一体どこから来るのだろう。だけど。 君の声を聞いただけでも、温度が3度くらい上がった気がする。暖かい気持ちをありがとう。あったまったよ。 「そうだね。・・・仕事があったから。でも、信じるよ」 電話の向こうから聞こえる岬の囁きにこめられた、何ともいえない甘さに、若林は息を飲む。この調子で、寒い、と言われて暖めたくならない奴がいるだろうか。 「早く片付けてこっちに来いよ。暖めてやるから」 「うん。待っててね」
雪深い国でも、君の隣なら常春の楽園。
(おわり)
拍手ありがとうございます。 寒いです。 自分のいる所は雪降っていませんが、ニュース見ながら書きました。 常春の国マリ○ラ、憧れています。
拍手お礼: さくら様。いつもありがとうございます。 頂いたものはそのままのサイズで展示、です。見せびらかし的な意味もこめて。 当ブログのデザインが「パリ」らしいのですが、妙にマッチしていましたので、 今日の記事追加したくなかったです。 あの絵自体は、別の話の時に描いたものなので・・・勇者おりません。 勇者足すとしたら、後ろの方にちょこん、とになりそうな気もします。 しかも、すねていると思います。
青香様。こんばんは。コメントありがとうございます。 ・・・本当に、期待はなさらないで下さい。 自分でも書けそうな気が、全くしません。 情けないことに、先に謝りたい気持ちでいっぱいです。
拍手のみの方もありがとうございました。
from past log<2009.1.10>
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック
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