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今日のきみとぼく
源岬への愛だけで構成されております。
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安眠
※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。
今回は特に問題のある内容ですので、「傷つける」「傷つく」が苦手な方は閲覧注意です。
オリンピック予選の最終戦となるホームのオーストラリア戦は日本の勝利に終わった。大怪我を負って入院した立花兄弟を慮り、祝賀会は合宿所でささやかに行った。
俺は目の具合もあり、まだホテル住まいをしている。ホテルに戻る前に、岬にだけは声をかけようと辺りを見渡すと、2得点を挙げ、勝利の原動力となったはずの岬は部屋の中にいなかった。そうでなくても、岬が一人離れていることは珍しい。
具合でも悪いのかと、心配になった。部屋を出て、廊下を歩き出したところで、俺はようやく探し人を見つけた。
「岬」
「…若林くん?」
岬はほの暗い廊下の端に立って、窓越しの月を眺めていた。その背中は細くて、一瞬月の光に消えてしまいそうに見えた。
「これから帰るの?」
「ああ」
俺が頷くと、岬は忍び足で俺に近付いて来た。
「こんなところで、どうした?」
「…月を見ていたんだよ」
白い顔は青ざめて見えた。勝利を喜ぶのとは程遠い様子に、すぐ近くまで来た岬の手を思わず握りしめた。
「なあ岬、悪いけどホテルまで送ってくれ」
目の具合が悪いことは、岬を連れ出す口実としては十分だろう。岬は俺の意図を悟ってか、すぐに頷いた。
「うん、分かった」
三杉から了解を得た後、岬は俺とタクシーに乗った。深く帽子を被っているせいで、岬の表情は見えないが、明るく笑っているのでないことは確かだった。
岬にとって、今日は勝利の喜びの日でも、オリンピック出場が決まった日でもない。立花兄弟が大きな怪我を負った日だ。誰のせいではない。それを決めたのは、立花兄弟の二人だ。
だが、岬は自分を責めているに違いない。自分さえ強ければ、立花兄弟にその選択をさせずに済んだ、と。
同じ思いをした俺にはよく分かる。ワールドユース大会の決勝戦、治り切っていない足のまま、岬は駆け付けて来た。もし、俺がゴールを守り切れていれば、岬は試合に出なくて済んだ。
病院に向かう車の中、詫びる俺に、岬は首を振った。
「怪我を押して出ているのは、若林くんも一緒だよね?それに、どうしても僕は戦って、証明したかったんだ。僕の居場所を」
ずっと好きで、想いが叶って付き合った。でも、改めてすごい男だと思った。年の割に幼く見える可愛い顔には、そんな強情さも強靭さもうかがえないのに、戦いの名残に目だけを輝かせる岬は、とても眩しかった。
今日はその時のことを、思い出さずにはいられなかった。
試合が終わると同時に岬は立花兄弟のところに駆け付け、病院についていくと言って聞かなかった。観客が岬の登場を待っているのは明らかだった。ここはこっちに任せて、グラウンドに出て来いと促しても、岬は何度も何度も振り返っていた。
夜になって、交通量が減っていたのだろう、タクシーは順調に道を滑り、俺の泊まっているホテルに着いた。
「部屋まで送ってくれよ」
杖代わりに、岬の肩に寄り掛かると、岬はそのまま歩き出した。いつもなら、心配はしても、部屋までついてくることは少ない。恥ずかしがったりためらったりすることが多く、呼んでも後で来たりする。
タクシーの中でも、一切話すことはなかった。俺達のどちらかが気付かれれば、運転手は今日の劇的勝利の話をしたがるに違いない。だから、今も帽子を深く被り、話しかけて欲しくないという雰囲気を醸し出している。
「この部屋だ。今、鍵開けるな」
カードキーを差し込み、ドアノブを回しても、岬は黙っていた。肩に置いていた手を伸ばし、腰を抱いても、岬は抗わなかった。
ドアを閉めて、二人きりになった途端に、岬を抱き締めた。ずっと我慢していたのは分かっていた。俺のところに泣きに来たのだということも。好きなだけ泣けば良いし、その間は匿ってやる気でいた。
だが、岬は俺をまっすぐに見上げて言った。
「優しくなんてしないで」
初めて会った日から、ずっと好きだった。我ながら一目惚れなんていうのが似合うタイプでもないが、岬に会った途端に、引き付けられた。思えば、それは初恋で、運命の相手だと一目で分かった。
再会するまでに3年、再会してからも3年、付き合うまで時間がかかったが、一度も諦めたことはなかった。付き合ってからは、更に優しくしようと思ったし、大切にして来たつもりだ。
「どういう意味だ?」
岬の真意を図りかねて聞き返した俺に、岬は涙混じりになった顔をあげた。
「僕を眠らせて。このままじゃ、きっと眠れなくなる」
そのまま静かに涙を流している岬に、俺は胸を打たれた。ずっと大切にしてきたし、これからも大切に守りたいと思っていた。でも、岬は今は誰かに罰せられたいのだ。そして、罪を逃れたい。誰も岬を責めたりはしないし、責められるようなことでもない。それでも岬は一生罪を背負って生きていく。つかの間だけでも、罪の気持ちから逃れる、その逃げ場に俺を選んでくれたことは、こんな時でも嬉しかった。
「良いぜ。眠らせはしないけどな」
いつもなら、絶対に傷付けたりしない。岬に無理を強いたこともない。岬が怖がらないように、いつも大切に抱いた。それが、今日は乱暴に、物でも扱うように、抱いた。目も合わさずに、痛くないか確認することなく、強引にする。華奢な体を引き裂くように揺すぶり、白い肌に血の色の跡を付ける。痛みに耐える顔は、それでもきれいで、かえって辛くなる。
愛する相手を愛さずに傷付ける。それは俺への罰でもあった。あの時、ゴールを守れずに、今回も岬のゴールにいられなかったことの罰だ。
「…どうして、君が泣くの?」
小さな声で尋ねて、岬は身を起こした。細い指を伸ばして、知らぬ間に流れていた俺の涙を拭う。
「…守り切れずにすまなかった」
「…」
堰が切れたように、岬の目に涙があふれる。苦しくても、悲しくても、自分の選んだ道は貫き通さなければならない。
声を上げて、一通り泣きじゃくってから、岬はベッドから出て来た。そのままバスルームに連れて行って、湯舟に満たした湯で冷え切った体を温める。顔色が戻った岬の髪を梳いて、頬に手を当てた。
「…気は晴れたか?」
自分で傷付けたものを、自分で手当てするのもおかしな光景だ。俺の腕にもたれ、たゆたう岬はゆっくりと目を開けた。
「…悪いけど、泊めてくれないかな?帰れそうにない」
「そこは帰りたくない、だろ?一緒に熟睡しようぜ」
俺の提案に、岬は困り顔からほんの少しだけ口元を緩めた。岬にしてはぎこちない笑顔ではあったが、笑ってくれたのが嬉しかった。
「いつでも、俺はお前が何をしようとも許すから」
たとえ、岬自身が許さなくても。そっと囁くと、岬は安心したように瞳を閉じた。
(おわり)
拍手ありがとうございます。
ずっと以前から、どうしても書きたくて、どうしても書けなかった話です。
書き始めてから、若林くんへの罰にしか思えず、G-23の岬くんの気持ちは、WY編の周囲と同じだな、と思ったら、何とか書き上がりました。
2回目の50音、今回は相当きつかったのですが、楽しくもありました。最後「愛してる」にしようと思ったのに「安眠」(しかもこんな暗い話)になってしまったのも含めて。
あと、ちゃんと管理していたはずなのに、「か」~「く」が2セットできていたりとか。「さ」は3作作っていたりとか…。
でも、また気が向いたら、何かやりたいです♪
以下、拍手お礼。
ずん様拍手に、7/12に拍手を下さった方、ありがとうございます。
そして、気付くのが大変遅くなってしまって、申し訳ありません。
ロシアW杯から、源岬再燃までの流れが素敵です!ぶり返しても仕方ありません!
拍手文も楽しんでいただけたようで良かったです。
また是非遊びに来て下さいませ。
佐々夕映(ゆん)様、拍手ありがとうございます。
こちらこそ、素敵な作品を拝読させていただいて、楽しませていただきました。ありがとうございました。
アニメの効果で、源岬が再燃したというお声はぼちぼち聞くので、更に盛り上がると良いですよね!心から同意します。
相変わらず、量だけはありますので、少しでも楽しんでいただけると嬉しいです。
そして、お気遣いありがとうございます。よれよれですが、源岬が何よりの癒しですので、頑張ります。
拍手のみの方もありがとうございました。励みになります。
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[2018/08/10 22:00]
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