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今日のきみとぼく
源岬への愛だけで構成されております。
○○をしないと出られない部屋
診断メーカーの○○をしないと出られない部屋をやってみました。
※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。



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○○をしないと出られない部屋
源岬は『どちらかが相手を泣かさないと出られない部屋』に入ってしまいました。
20分以内に実行してください。
https://shindanmaker.com/525269
20180406.jpg


「何、この部屋…」
どうやら閉じ込められたらしい。そう気付いたのは岬の方だった。二人きりになれる場所を探していた時にたどり着いた部屋は、中からは開かない構造になっていた。
「そうみたいだな」
どうしても二人きりになりたかった若林の方は落ち着いている。外に連絡できないのは困るが、閉じ込められたのは若林のせいではないし、そのうち解放されるだろうから、知らない相手のせいにして、二人きりの時間を楽しみたい。
「…もう、若林くんはそんなことばっかり。門限に間に合わないと、また三杉くんに叱られるよ…」
「お前なんか、軽くイヤミを言われるだけじゃないか。俺なんか、食堂当番に掃除当番だぜ」
「それなら、やっぱりちゃんと間に合うように帰ろうよ」
三杉の采配が公平であることは明白である。岬の門限破りの元凶は、若林のわがままに他ならない。
「まあ、若林くんと一緒なのは安心だけど」
違う意味の危険はあるが、たいていのことに動じない、運動神経も判断力も並外れた相手といる程、安心なことはない。
「そうだな。俺が守ってやるから、安心しろよ」
「うん」
岬に頼られるのも悪くないな、とにやけた若林は、不幸なことにその貼り紙に気付いてしまった。



「この部屋を出るには、どちらかが相手を泣かさないといけません。
20分以内に実行してください。
20分を過ぎると、一生出ることはできません」




 パソコンで入力したらしい無機質な貼り紙は、それだけに文章の恐ろしさを際立たせる。背筋に冷たいものを感じて、岬は若林の腕を掴んだ。
「何だ…これは…」
戸惑う岬の肩を抱いて、若林は再度貼り紙を見る。そして、何度か見直した若林は心を決めた。
「岬、俺を殴れ」
「はあ!?」
岬が聞き返すが、若林はあくまで本気だった。
「泣かせるっていうのは抽象的だ。となると、涙が出るとかそういうことを言っているんじゃないか」
二人とも滅多に泣かないタイプである。ゴールを奪ったり奪われたり、とそのバリエーションは少ない。多少のやりとり位で泣くとはお互いに思えない。その上での判断だった。
「僕の力で君を殴ってもね…。それよりは、くすぐってもらった方が早いかも」
最初の頃、くすぐったくて仕方なかったことを思い出して、岬は言った。だが、その言葉はもう一人に火をつける効果があった。
「いや、それよりも良い方法がある」
「…何だか、いやな予感がするんだけど…」

 乱暴狼藉の類いではないが、強引な行為に、岬は初めての時を思い出した。未だに慣れるとは程遠いが、痛いだけでもないことは体が覚えた。それでも。

「ねえ…若林…くん…OPENの表示…出てる…」
「今、良いとこだろ…もう少し…だ」
離す気などさらさらない若林に、岬は涙でぐちゃぐちゃになった顔を上げ…若林を殴りつけた。


「…これはひどい」
若林の遅刻癖を正すための計画だった。しかも岬のいる合宿だけで起こる悪癖だった。普段距離を隔てている恋人といるのが嬉しいのは理解できるが、当の岬が困っているのも事実だった。
 だから三杉は、策を立てた。二人を誘導して、内から鍵の開かない部屋に閉じ込めた。
「せめて、岬くんには事情を説明しておくべきだったね…」
岬がくすぐって良いなどと言い出したら、若林のスイッチが入ってしまうことは、最初から分かりきっている。
「…まあ、結果的に罰ゲームになったね」
モニターには、殴られて落ち込んでいる若林が映っているのだった。

(おわり)

拍手ありがとうございます。
少し前に書いたものを。
『〇〇をしないと出られない部屋』ネタは、実は苦手です。
何度か書いてみて、分かったのですが、「どうして閉じ込められたか」「どうやって判定するのか」「どうやって出られるシステムなのか」等が気になって、そちらを先に詰めてからじゃないと書けないようです。
これは「三杉くん」という装置を用意したので、とても楽でした。ありがとう、三杉くん。
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