※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。[ 「岬さん、やっぱり荷物少ないですね」 新田の言葉に、ことさら注目を浴びた岬は、顔を赤くする。 「そんなことないよ、普通だよ」 たかが、二週間くらいの合宿で、どうしてそんなに荷物があるのか、の方がかえって不思議だと岬は思う。井沢がシャンプー、リンス、ドライヤーにアイロンまで持参なのは知っていたが、石崎もそうなのだろうか、と大きなカバンを見つめる岬に、石崎が首をかしげる。 「二週間分、だよな?」 「うん」 とはいえ、大会でも修学旅行でも、岬がみっともない格好をしていたことなど一度もない。岬はいつでも見栄えがした。3倍以上のカバンを持つ石崎本人よりも。 「井沢は、秘密知ってそうだな」 岬とコンビを組んで、よく一緒にいる井沢は石崎を見下ろすと、いかにもおかしそうに笑った。 「そうだな・・・石崎にはぜっったい思いつかないだろうな」 かく言う井沢とて、岬の荷物の少なさは、気にするまでもなくいつものことであるから、反町に指摘されるまで気づかなかったのである。そして、あの反町しか気づかないことを、他の者が分かるとは思えない。 「・・・日向と変わらん荷物だよな」 石崎が首をひねるまでもなく、それは確かだった。いつもユニフォームを着ているような日向と、私服でいる印象の強い岬と。 「教えろよ」 「ポテチ3袋」 「1袋!」 「じゃあ、2袋」 「・・・乗った」 見苦しいやり取りをよそに、前を颯爽と歩いていた岬はチームメイトを振り返る。 「ほら、ぐずぐずしてないで、行くよ!」
「それで、どうなんだよ?」 石崎の言葉に、菓子を2袋受け取った井沢が頷く。 「まず、岬はこういうのは買わないよな」 宴会の席に、いつのまにか紛れ込んでいて、そう食べるわけでもなく、交流だけ楽しんでさっさと寝るのが岬だった。 「ああ。日向もそうだもんな。あいつは他の面子持ちだけどよ」 日向の荷物が少ない分、永遠の欠食児童日向の食料は若島津や反町の荷物に入っていた。その摂取カロリーがおそらく翌日のタイガーショットとして燃えているに違いない。 「あと、岬は異様に着回しがうまい」 「は?」 井沢の言っている意味が分からず、石崎は呆けた。確かに、しゃれっ気のない高校生男子に、着まわし、の言葉はぴんと来ないかもしれない。 「あいつ、カーディガンとかスカーフとかはたくさん持ってんの。それで、枚数自体が少ないのをカバーしてるんだよ。反町なんか、OL並みの着回し術って言ってたぜ」 「岬・・・言ってくれれば、服くらい」 森崎が横で涙を拭っている。更に何か言い出しそうな新田の口を塞いでから、井沢は周囲を見渡す。 「とにかく、他言無用な。岬は服受け取ってくれないから」 岬が一言頼めば、服など幾らでも買ってくれる相手がいるのだから、構うことはない。貢ぎたがっている若林を泣かせても、岬の引越し病は未だ健在の様子。 その分、身軽な岬には距離など関係がない。会いたくなったら、すぐに動く岬の機動力には誰もが脱帽するに違いない。 「最後に、岬は土産を買わない」 たいてい旅をしているから、土産など買っていては追いつかない。的確な分析に拍手喝采のチームメイトを見下ろして、井沢は苦笑した。他人に同情している暇があったら、土産を渡す相手を見つける方が先決だぞ。
(おわり)
拍手ありがとうございます。 南葛高校大好きです。もう、今からでも潜入を。いやいや。 原作で、岬くんが引っ越す時の荷物って小さくて、 服とか絶対困るはず!と思っていました。 一郎はいつも同じ服だろうが、裸でさえなければ(見苦しさは変わらないので) 気になりませんが、岬くんは可哀相じゃないか、と。 岬くんは服の枚数少なくても、お洒落なはずと思ったら、こんな話に・・・。
時代パラレル、クレスリウム王国様で1話をアップして頂きました。 書き始めるときは、ものすごく楽しいのですが、後が続きません。 設定をどんどん接げるファンタジーって素晴らしい。
from past log<2009.1.8>
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック
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