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今日のきみとぼく
源岬への愛だけで構成されております。
why
※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。

 ホワイトデーだと差し出されたキャンディーに、驚いて聞き返す。
「僕、あげてないよね?」
葛藤はあった。付き合うとかそういう仲ではないけど、二人で出かけることも多いし、嫌われてはいないと思う。一緒に歩く時に、気遣わしげに伸ばされる手に、友達以上の関係を期待したりもした。はぐれないようにと繋いでくれた指先の熱さに、ドキドキする気持ちが伝わらないように願い、想いが伝わらない切なさに、胸が締め付けられた。
 僕達は男同士だから、結ばれることなんかない。伸ばしてくれた手を掴み返すことさえ、はぐらかして、せっかく作った小さな包みは、結局渡せないままに冷蔵庫に入れたまま。
「そうだな。でも」
若林くんはキャンディーを僕の手に押し付けると、納得できずにいる僕に、笑ってみせた。
「受け取れよ。チョコが1ヶ月遅れなぐらい、俺は気にしない」
…チョコレートを用意したのを知っているはずもないのに、若林くんは何故か自信満々だ。
 だから仕方なく、僕は冷蔵庫を開ける。
「冷えすぎて、固くなってると思うけど」
そう言った僕の顔は、多分真っ赤だったと思うけど、それを鏡で見る間もなく、抱きしめられた。
「…それが欲しくてたまらなかったんだ」
…そう言えば、先月若林くんが来てくれた時には、冷蔵庫に入れていたっけ。リボンも巻かないシンプルな包みに、若林くんと出かけた時に買ったテープを貼っていた。もったいなくて、使えないねと言っていたきれいなテープを。
 気付かれたくないのに、気付いてほしい気持ちの端に絡めたテープに、気付いてくれてありがとう。
「じゃあ、交換ね」
「ああ」
プレゼントの交換だけじゃない抱擁に、チョコレートと一緒にかたくなっていた心が溶けていくようだった。

(おわり)

拍手ありがとうございます。
ホワイトデー、うっかり忘れかけていたので、慌てて書きました。
ホワイとホワイトをかけているのは秘密です。
3月、忙しいです。

以下、拍手お礼。
くるみ様、いつもお気遣いありがとうございます。
さらにアクロバティックなイナズ.マイレブンは夕方放送なので、余計に納得がいかないのですが…。
まあ、掲載誌がグランドジャンプなので、深夜でも仕方ないかも知れません。
(と、無理やり理由をひねり出してみました)

拍手のみの方もありがとうございます。励みになります。
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