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今日のきみとぼく
源岬への愛だけで構成されております。
見慣れぬ天井
※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。

 先にシャワーを浴びた岬が出て来ると、若林が冷蔵庫の側で待っていた。
「何が良い?ジュースとビールとミネラルウォーターがあるぞ」
「じゃあ、ミネラルウォーター」
一緒に入浴しようという誘いを断られた割に機嫌の良い若林は、きっちりとバスローブを着込んでいる岬にボトルをパスした。
「じゃあ、そこで待ってて」

 思ったより座り心地の良いソファーの後ろには出窓があり、中庭が見える。シックな雰囲気で統一された室内はそれなりに落ち着く。手持ち無沙汰で手元のリモコンでテレビを付けた岬は、慌てて消した。

 大画面に映し出された肌色に、女性の声。それまでそういうビデオを見たことはなかったし、そういう経験自体、一人しかない。
 普段だったらそれほど極端な反応を示すこともなかったのだろうが、場所が場所だけに、必要以上に意識してしまったらしく、岬はミネラルウォーターをあおった。

「待たせたな」
汗を拭いながら出て来た若林は、自分もミネラルウォーターを取り出すと、ごくごくと喉を鳴らす。
「若林くん、零れてるって・・・わっ」
若林の首筋をタオルで拭おうとした岬を、若林が捕まえた。裸の胸にはまだ水滴が残り、その中に抱き込まれた岬の髪を湿らせる。
「顔赤いぜ」
抱き上げた岬の顔を覗き込み、若林はベッドに向かった。

 ベッドに二人の身体の重みがかかる。寝かされると同時にバスローブの胸元に顔を埋めて来た若林に、岬は目を開ける。そして、そのまま見開いた。
「!」
岬の全身に走った緊張に、若林は口元に笑みを浮かべる。
 岬の見上げた天井は鏡張りで、若林の隆々と盛り上がった筋肉から足までが映っている。そして、組み敷かれている岬の姿も。
「驚いたか?」
顔を背けた岬の耳までが朱に染まっていく。まさか、こんな仕掛けがあろうとは思わなかった。
「・・・こんなの嫌だ」
一瞬しか見ていないのに、脳裏には先程の映像が焼き付いている。若林の逞しい背中が、その陰になっている自身の手足が、それを連想させた。
「じゃあ、目つぶって」

 いつもよりも顕著に反応する岬を、若林もいつもより入念に責める。
「声、殺すなよ。その為に招待したんだから」
悔しい、と岬は思う。胸の中に残る疑念も晴れぬまま、体を交えれば、踊らされてしまう自分。
 それでも、高い天井に加えて、日頃の遠慮も要らない分、自分の声が響く度に、自分がいかに相手を好きか、思い知る。
「そんな声出すと、すぐいきそうだ」
耳元に囁かれる言葉に、ふと我に返った岬は恥ずかしくなる。鏡張りの天井が怖くて目を閉じれば、何をされるか分からないだけに、興奮はいや増す。いつもより感じていることを指摘されたようで、岬は唇を噛んだ。若林の漏らす息の熱さに、響きに、いつもより火照らされて、閉じた目には涙がにじむ。

「たまには悪くないと思わないか?」
盗人猛々しいとはこのことか、天井の鏡越しに表情をうかがってくる若林に、岬は布団をかぶって、横を向いた。まだ全身がけだるくて、何も考えられない。
「・・・悪趣味だよ。前に誰かと来たの?」
ここまで念の入った接待をされては聞かずにいられない。答えを聞く前から剣呑な岬に、若林は腕を伸ばして、岬を抱きくるめる。
「いや、聞いただけだ。ここのグループの株を買おうか迷った時に。知り合いが困っているから手持ちの株を売りたいって言ってきてな。その時に、楽しい利用法を色々教えてもらった」
サッカー以外の交友関係は知らないが、若林にも色々あるのだろう。それにしても。岬は楽しそうに笑う若林を見やった。聞きかじりとは思えぬほど、落ち着いた振る舞いに、翻弄された自分の立場がない。こんなに、恥ずかしかったのに。
「投資の甲斐があるか確かめるのは大事だからな。一回来てみたかったって、言ったろ?」
若林は、ルームサービスのメニュー表を持ちこみ、憮然とした岬のご機嫌とりをする。来るのは初めてだという説得には逆効果だと岬は苦笑し、若林が普段口にしなさそうなメニューを見る。
「これじゃ、君が満足するのには程遠いと思うよ、若林くん」
若林の健啖ぶりをからかう岬に、若林は少し安堵する。
いつも、仕方ないね、と許してくれる時の、ため息混じりの岬の笑みには、奇妙に愛を感じる。こんなに愛されているということを、ついこんな悪戯で確かめたくなる。
「岬が気に入ってくれたって事実だけ受け止めるさ」
愉快そうに笑う若林に、岬は絶句する。それは、ホテルの感想ではない。
「違うよ、僕は・・・」
「だから、また来ような。株主優待券まだあるんだ」
言葉を失った岬の額にキスを落とすと、若林は笑った。

(おわり)

新年早々、こんなものを書いてすみませんでした!下品だし。これっきりです。
・・・その割りに、妙に反応があったのは何故なんでしょうか。
もしかして、私に求められているのは、この路線?まさか。

設定等が不十分ですみません。一応補足。
若林くんの金持ちな悪友が、株主優待で使うために、株を持っていたが、
お金に困ってきたので売り込みをした。売込みをされた若林くんは、
それなら「使える」とお買い上げ&早速ご使用、という設定です。

from past log<2009.1.4>
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック


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